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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
10月
第129話『開店』
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客様、当店はお触り禁止です!」

「三浦君……」


3番テーブルに座っていたのは、恐らく上級生と思われる男子2人組。そして、接客をしていたのがふかふかな尻尾の持ち主、狐太郎だった。
彼は嫌がってはいるが、相手が上級生ということもあり、強く言えなかったという状況。だから代わりに晴登が注意しに来た。


「あ、また可愛い子出てきた」

「いーじゃんちょっとくらい。この尻尾すっげぇふかふかでさ」

「男の子なんでしょ? ちょっとくらい許してよ。もしかして本物の女の子だったりすんの?」


しかし、2人組はコスプレ衣装の尻尾くらい良いじゃないかといった様子で、触るのをやめようとしない。狐太郎はそれを目をギュッと瞑ってなすがままにされている。

本当に装飾の尻尾であれば、まだ落ち着いていられる。が、その尻尾は本物だ。つまり、これはボディタッチ案件なのである。
せっかく狐太郎が学校に馴染めるように手を尽くしているというのに、そういった行為を看過できる訳がない。


「その手を、離してください」

「痛っ、こいつ……!」


尻尾を触っている2人組の腕を無理やり引き剥がす。晴登の握力は至って平均レベルだが、そのレベルでも強めに握ればそれなりに痛い。
へらへらしていた2人もさすがに表情を変え、1人がもう片方の手を出そうとする。穏便に済ませたかったが、どうやらそうは行かないらしい。

大丈夫、素人の攻撃なんてその軌道さえ見切ればいなせ──


「え?」

「は、なんだお前?」


予知によって被害を最小限に減らそうとしていた晴登は、その状況に戸惑いの声を上げた。一方、晴登に伸ばしていた腕の手首の辺りを何者かに掴まれた男子は、凄みながらその正体を確かめようとする。
するとそこには、黒服を着こなした銀髪の少年……もとい、結月が立っていた。彼女の表情は決して穏やかではない。


「今何しようとしたの?」

「あ?」

「ボクのお嬢様に何しようとしたのかって訊いてるんだけど」


手首を掴んだ結月の目つきは険しく、晴登ですら気圧されてしまいそうになる。
歳下の、しかも男装した女子が相手だとわかっているのに、その圧でさっきまで態度のデカかった先輩も少しずつ表情が揺らいでいく。そして極めつけは、


「え、何、冷たっ!? ちょ、ま、待ってくれ、俺が悪かったからその手を離していてててててて!」

「お、おい、大丈夫か!?」

「お客様だからって限度があるよね?」

「「ひいっ!!」」

「(ちょ、結月! 角! 角出てるって!)」


ミシミシと音が立ちそうなほどの怪力と謎の冷気を前に完全に怯えてしまった2人組。彼らには結月がまるで鬼のように見えているのだろう。だ
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