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た。

 そして、その写真達をホワイトボードに貼り付けていった。

 

 10枚の写真を貼り終えると、龍園は写真を1つ1つマーカーで指していく。

 

 

「……堀北鈴音」

 ??カツン。

 

「……櫛田桔梗」

 ??カツン。

 

「……佐倉愛里」

 ??カツン。

 

「……長谷部波瑠加」

 ??カツン。

 

「……王美雨」

 ??カツン。

 

「……佐藤麻耶」

 ……カツン。

 

「……軽井沢恵」

 ??カツン。

 

「……一之瀬帆波」

 ??カツン。

 

「……木下美野里」

 ??カツン。

 

「……椎名ひより」

 ??カツン。

 

 指し終えた龍園は、この場にいる全員を見回した。

 

「お前達には、2人チームでこいつらを拐ってもらう」

「え!? 拐うんですか!?」

「そうだ。こいつらは全員沢田を潰す為の餌だ」

「しかし、椎名さんや木下さんはどうして……」

「こいつらに関しては協力してもらうだけだ。別に危害を加えるつもりはない」

「Bクラスの一之瀬は?」

「こいつも最近沢田とよく生徒会で一緒にいるからな。餌としてはちょうどいい」

「さすがに10人は多いんじゃ?」

「念には念を入れねぇとな。沢田を確実に潰す為、そして頭数が多い方が沢田の感じる絶望も大きいはずだ」

「女子だけなのは?」

「男子だとお前達が失敗する可能性があるからな。まぁ女子でも鈴音は伊吹並みに腕は立つようだが、アルベルトと石崎のコンビなら問題ないだろう」

 

 龍園の言葉を受けて、石崎はニヤリと笑った。

 

「決行日まではまだ数日はある。その間は、この写真の奴ら以外のDクラス生徒にちょっかいをかけていく」

「え? ターゲットが決まったならもういいのでは?」

「その方が誰を狙ってるのか分かりにくいからな。沢田には誰が狙われるか分からない状況を楽しんでもらうのさ」

 

 龍園の考えを聞いた生徒達は、『なるほど』と盛り上がり始めるが、龍園はそんな生徒達を解散させて体育倉庫から追い出した。

 

 ……しかし、1人だけ出て行かない生徒がいた。その生徒は、龍園を恐れもせずに話しかける。

 

「……おい。美雨は俺に任せてくれるんだろうな?」

「ああ。王美雨はお前にやらせてやるよ……王小狼」

「ククク……ありがとうよ」

 

 それだけ確認すると、1人残った男……Aクラスの王小狼は不気味な笑いを浮かべながら体育倉庫から出て行った……。

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