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ぺーパーシャッフルE 〜嵐を呼ぶ試験直前〜
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「俺はそう思う」

「……なら、その方法で行きましょう」

 

 堀北は覚悟を決めたのか、俺の提案を受け入れた。

 

「分かった。早速送ってみる」

 

 学生証端末を取り出し、龍園へとメールを送る。

 

 

 TO 龍園

 

 取引を持ちかけたい。

 内容としては……Dクラスが出す数学問題の内、最後の5問を教える。

 その代わり、Cクラスの数学問題の最後の5問を教えて欲しい。

 望むなら、お前が知りたいだろう情報を1つ教えることもできる。

 

(……さぁ、どう反応するだろうか)

 

 龍園からは、3分も経たずに返信があった。

 

 TO 綾小路

 

 先に情報の概要を開示しろ。

 応じるかはその概要次第だ。

 

(……よし、予想通り食いついたな)

 

 俺はすぐに龍園へと返信をした。

 

 

 TO 龍園

 

 いいだろう。その情報は……だ。

 もし取引に応じるなら、期末試験後に完全な情報を提供する。

 

 TO 綾小路

 

 いいぜ、その取引に応じる。

 画像添付:『Cクラス問題文の一部』

 

(よし。取引に乗ってくれたな)

 

 龍園からの返信を確認し、一度堀北に声をかける。

 

「堀北、龍園が乗ってきたぞ」

「! 交換条件が成立したのね」

「ああ。昨日提出した問題文のコピー持ってるか?」

「ええ、持ってるわ」

 

 堀北は鞄を開き、中からDクラスの問題文のコピーを取り出した。

 

「はい、これよ」

「おう」

 

 

 ??カシャっ!

 

 

 受け取った問題文のコピーを、最後の5問分だけが写るように学生証端末で写真を撮った。

 

 そして、その写真を添付したメールを作成する。

 

 

 TO 龍園

 

 取引成立だな。

 画像添付:『Dクラス問題文の一部』

 

 

「……送信完了っと」

 

 龍園にメールを送信した俺は学生証端末をポケットにしまった。

 

 

「堀北、手に入れたぞ。Cクラスの数学の問題文、ラスト5問を」

「そのようね。……じゃあ、後は根気の作業だけだわ」

「ああ。期末試験まで、残り2日。どれだけ絞れるかが肝心だ」

 

 堀北の考えた作戦が上手く行くかどうかは、残り2日の作業の出来にかかっている。

 

 ……だが正直、可能性は五分五分言った所だった。


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