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ぺーパーシャッフルE 〜嵐を呼ぶ試験直前〜
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れくらいなら覚えているの?」

「……最初の5問くらいかな」

「……十分よ。このノートに書いてもらえるかしら」

「うん、分かったよ」

 

 堀北に手渡されたノートに、鞄を机代わりにしてすらすらと記入していく木下。

 

 書き終わると鞄を開き、数枚のプリント用紙を取り出した。

 

 そして、プリント用紙とノートを重ねて堀北へと返す。

 

 中身を確認した堀北は、木下に感謝の言葉を告げる。

 

「ありがとう木下さん。助かったわ」

「ううん、罪滅ぼしでやってるんだし当然だよ。……じゃあ、私はこれで」

「あ、待って木下さん」

「はい?」

 

 屋上を立ち去ろうとする木下を堀北が呼び止めた。

 止まって振り返った木下に、堀北は優しい微笑みを浮かべながら話しかける。

 

「……体育祭の事件の事、もう気にしないでいいわよ。あれはあなたも被害者だし」

「! で、でも……」

「綱吉君だってそう言うと思うわ。だから、もう櫛田さんのお願いを聞く必要もないのよ」

「……ありがとう。……本当にごめんね、堀北さん」

「いいのよ。その謝罪だけで十分だわ」

 

 堀北の微笑みを見て、安心した表情になって木下は、今度こそ屋上から出て行った。

 

『……』

 

 2人なった俺達は、堀北の抱えたプリントとノートを見て考えを巡らせる。

 

「……これではまだ不十分だな」

「そうね。せめて最後の5問だけでも分からないと……」

「……あいつを使うしかないかもな」

「あいつ?」

「……龍園さ」

「!?」

 

 俺の答えに驚愕の表情を浮かべる堀北。

 

「あなた正気? 教えてくれるわけないじゃない!」

「だが、それしか他に最後の5問を知る方法はないんじゃないか?」

「……それもそうだけど」

「綱吉を頼らない以上、俺達はこの方法を取るしかない」

「……」

 

 口をモゴモゴと動かしている堀北。色々と言いたい事があるのだろうが、なんとか飲み込もうとしているようだ。

 

「……交換条件はどうするの?」

「Dクラス側の最後の5問。そしてあいつの欲しがる情報1つと引き換え……って事ならどうだ?」

「……成立するかもしれないけど、情報というのは何なの?」

「……それは、これから考える」

 

 本当は、龍園が反応しそうな情報に心当たりがある。それも綱吉に関する事以外でだ。

 

 だが、それを堀北に言う事は出来ない。

 

「……何よそれ。でも、今はそれしか方法がないのよね?」
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