ぺーパーシャッフルE 〜嵐を呼ぶ試験直前〜
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」
「……一体何を渡したの?」
「……その、沢田君と堀北さんが欲しがっていたものなんだけど」
「……堀北と綱吉が欲しがっていたもの?」
堀北の顔を見ても、困惑しているようにしか見えない。
つまり見に覚えがないのだろう。
「あの……私達は何も欲しがっていないと思うのだけど」
「え? で、でも櫛田さんからは、体育祭での事故が故意じゃなかった事にする交換条件に、堀北さんと沢田君が要求しているって……」
「え? 私達、櫛田さんとそんな話をした事ないわよ?」
「え?」
「……え?」
木下も堀北もお互いに状況が良く理解できていない様子。
ここは俺が橋渡しになるしかないか。
「……木下、落ち着いてくれ。とりあえず、お前が櫛田に何を言われたのかを教えてくれ」
「う、うん……」
そして、木下は語り始めた。
3日前に、櫛田に呼び出された事。
その時に、堀北と綱吉が体育祭での事故の事を学校に報告する気になっていると言われた事。
それを止めたいなら、Cクラスの問題文のコピーを手に入れろと交換条件を出された事。
そして、なんとか手に入れた問題文を今日の朝に櫛田に渡した事。
木下の話を聞き終えた時、俺達は非常にまずい状況にある事を理解した。
「……まずいな」
「え?」
「現在、俺達にとって最悪な状況になっている可能性が高い」
「? どうしてそう思うの?」
「よく考えろ、お前はどうやって櫛田の企みを阻止しようとした?」
「それは……」
堀北は少し考え込み、自分のした事を話し出した。
「櫛田さんが偽の問題文を提出できないように、茶柱先生と契約を結んだわ」
「そうだな。それで、櫛田から龍園へと渡ったであろう問題文は無意味なものになったはずだ」
本当は俺も裏で少し動いているのだが、今回の話には関係しない為に黙っておく。
「ええ、だから櫛田さん受け取るはずだった見返りも無くなっているはずよ」
「ああ。それだけだったらな」
「……どういう意味?」
「今朝、なぜか櫛田は木下から問題文を受け取っている。龍園からもらう予定になっているはずのものをだ」
「そうね。それは確かに気になるけど……」
「勝負を持ちかけた時の事を思い出せ。櫛田は大事な事はどうすると言っていた?」
「え? ……! 大事な事は2回確認する……そういう事?」
不安げな表情になっている堀北に無言で頷き返す。
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