ペーパーシャッフルC 〜大空に集いし新たな仲間〜
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長谷部さんは新しいコーヒーカップを受け取ると、その女子をしげしげと眺める。
「……あなたも、Cクラスなの?」
「はい、Cクラスの椎名ひよりと申します」
そう、その女子とはひよりちゃんだった。
おそらく、俺が感じていた視線の1つは彼女の物だろう。
「期末テストが終わったら、またお話しましょう」
「え? は、はぁ……」
マイペースなひよりちゃんに、長谷部さんは少し戸惑ってしまっているようだ。
ひよりちゃんは長谷部さんに頭を下げると、出入り口に向かって歩き始めた。
その際に俺の横を通り過ぎるのだが、少し立ち止まって小声で話しかけて来た。
「……死ぬ気の臨界点。現時点では極められているようですね」
「! うん……おかげさまでね」
「ふふふっ、さすがはツナ君ですね。……では、また」
「うん……また」
会話が終わると、ひよりちゃんはスタスタとパレットから出て行った。
「ありがとね、沢田くん。踏まれないように庇ってくれて」
「当然だよ。龍園君のやることは許容できないしね」
ひよりちゃんもいなくなると、長谷部さんがお礼を言ってくれた。
「ふふ、優しいんだね。沢田君は。……あ!」
「?」
ふいに俺の手に目を向けた長谷部さんは、何かに気づいたのか慌てて俺の右手を取った。
右手はついさっき龍園に踏ませた方の手だ。
「やっぱり……傷ができちゃってるよ」
「え? ……あ、本当だ」
長谷部さんに言われて自分でも手を見てみると、確かに1センチ位の切り傷が出来ていた。
「あ〜、靴の踵部分で踏まれたのかもね」
「血が滲んでんじゃん。ほれ、手当てしてあげるからこっちに来て?」
「え? うおっ」
長谷部さんは俺の右手を掴んだまま、俺達が利用している席へと引っ張っていった。
そして席に座ると、カバンから小さなポーチを取り出して、中から可愛らしいピンクの絆創膏を取り出した。
「ほら、右手を出して?」
「う、うん」
再度俺の右手を取ると、長谷部さんは切り傷の部分に絆創膏を貼ってくれた。
「はい、これでよし! 戦士の勲章だね」
「あはは、戦士って程じゃないよ? でもありがとうね」
手に貼られた絆創膏を見て、他のメンバーも心配してくれたようだ。口々に俺に声をかけてくれる。
「だ、大丈夫? 沢田君」
「つうか、すんげえスピ
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