ペーパーシャッフルB 〜迫り来る嵐の予感〜
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やっぱり桔梗ちゃんには何か悩みがあって、それを解消しようと奮闘していると思える。
……俺は桔梗ちゃんの為に何かできないのだろうか。
「……すまん、ちょっといいか?」
『!』
その時、2人の男女が教室に入ってきた。
「あれ、三宅君に長谷部さん。どうかしたのかい?」
教室に入ってきたのは、クラスメイトの三宅君と長谷部さんだった。
三宅君はハイミドルスコアで、弓道場所属の運動も得意な男子だ。
長谷部さんはローミドルスコアだが、ほとんどハイミドルスコアと変わらない成績だった気がする。部活には無所属で、運動は嫌いなのか体育の授業は休みがちだ。
「期末試験の相談があるんだ」
「相談? あ、そういえば2人はペーパーシャッフルのペアだったよね」
平田君はノートにメモしてあったDクラスのペアの一覧を見ながらそう言った。
「ああ。そうなんだが、実はどっちもテストの得意不得意が被ってるんだよ。それでちょっと困ったからアドバイスを貰いたくてな」
「被ってる?」
「ああ。これを見てくれ」
そう言うと、三宅君は2人の中間テストの答案用紙を手渡してきた。
2人の中間テストの平均点数は三宅君が65点で長谷部さんが63点。学力に差は殆どないようだ。
ハイミドルとローミドルの組み合わせだけど、苦手な所が殆ど被っているから期末試験で苦手分野の庇い合いが出来ないと言うことかな。
「ん〜、これは難しいね。不得意な部分がハッキリしてる分、今回の集団勉強会では指導がしずらかもしれない」
「……そうね。私達はロースコア組の指導で殆ど手一杯になるし、他のミドルのメンバーをサポートの櫛田さんと綱吉君に見てもらおうと思ってたから、一部に特化して指導するには指導役が足りなくなるわ」
確かに……全体的に苦手な人と、一部だけ教わりたい人では同時に指導は難しいか。
「……やっぱり辞めようよ〜ミヤっち。私、集団で勉強するのは抵抗あるし〜」
ここで、今まで黙っていた長谷部さんが口を開いた。
「でも長谷部、俺達だけで解決はできないぞ。苦手部分が同じなんだからな」
「分かってるけど〜、嫌なものは嫌だし?」
長谷部さんは1人でいる事が多いけど、大人数で行動するのが苦手だったからだったのか。そういえば三宅君も1人でいることが多いな。性格も似ているのかもしれない。
『……』
皆がどうしようかと悩んでいるので、ここは俺が動く事にし
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