ペーパーシャッフルA 〜雲達の宴〜
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なんだねぇ〜。あはは♪……はぁ」
『……』
そう言って笑っていた櫛田だが、唐突に笑うのを止めて真顔になった。
「……人間性が似ているから、何となく考えてる事も似てくる。でも……だからこそ私は」
『……』
「……あなたの事が、だ〜いっ嫌い?」
『!』
「あはははっ♪」
また急にいつもの調子で笑い出す櫛田。
感情がまるでジェットコースターの様に目まぐるしく変化していく。
「同族嫌悪っていうの? 自分の周りに自分と同じような奴がいてほしくないんだよねぇ。しかも私の大事な人のそばにいられちゃったら、我慢なんてできないよぉ〜♪」
「……同族、嫌悪?」
堀北は櫛田が何を言っているのか理解できないのか、冷や汗を流していた。
「そうそう! あ、でも性格が似てるわけじゃないんだよ? なんというか〜自分の芯みたいな根本的な部分が似てるんだよね〜」
「……どこが似てるって言うの?」
「うふふふ♪」
??ガララっ。
櫛田は笑いながら教室の窓を開けて、そこから空を見上げた。
「私ね? 自分を人間じゃないものに例えるとしたら、雲だなぁって思うんだよね♪」
「……雲?」
「そう、お空に浮かんでる雲ね。それも1つの雲って言うより、雲という概念そのものって感じ?」
そう言うと、櫛田は空に浮かんだ雲を指さした。
「曇ってさ、この世界のどこかの空には必ず浮かんでるでしょ? 東京は快晴でも他の県では曇りなんて事も普通にあるし♪」
「……ええ」
「それに、雨や雪、雷なんかの天候は雲から発生するよね」
「……ああ」
櫛田の言葉の意味を掴めないが、俺達はとりあえず頷いておいた。
「そういうとこ、私も同じだと思うんだ♪ 空を私のいる環境とするなら、私は自分のいる環境では多かれ少なかれいつも誰かの頭の上に浮かんでいる。そして、たまに悲しみの雨や癒しの雨、衝撃の強い雷をその場所やそこにいる人達に降らせちゃうの♪」
……雲は空に浮かんでいるから、当然常に人間の頭上に浮かんでいる。そして雨や雷で人間の生活に影響を与えてくる。
……クラス内で人気者として君臨している自分は、クラスメイトよりも上の立場とでも言いたいのか?
「……皆から信頼されているお前は、空における雲のように自分の下にあるものに影響を与えて操れる。……とでもいいたいのか?」
「そうそう! そう言う事!」
手をパチパチと叩いて正解である事をアピールする櫛田。
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