体育祭の後A 〜真なる相棒〜
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俺達は3階へと上がった。
?? 3階 ??
3階に上がったが、そこには誰もいなかった。
「……誰もいなくない?」
「……ここで待ってて。呼んでくるから」
俺達に待つように言うと、神室さんは教室へと続く廊下の角に向かった。
そして、廊下の角にいる誰かに話しかける。
「連れて来たよ。もう帰ってもいい?」
「はい。ご苦労様でした、真澄さん」
「ああ」
誰かと短い会話をすると、神室さんはこっちに戻って来た。
「後はあの子と話して。私はもう帰るから」
「え? は、はい」
「……わかった」
そして、神室さんは特別棟から去って行った。
神室さんがいなくなると、彼女と会話をしていた声の主が、ゆっくりと姿を見せる。
??コツ。コツ。
(! 杖の音?)
片手で杖をつきながら、声の主は冷たい笑顔を浮かべながら現れる。その人物は……
銀髪の美少女、1年Aクラスの坂柳有栖さんだった。
「お前が俺達を呼んだのか?」
「……」
綾小路君の質問に、坂柳さんは何も答えないとしない。
ただただ、冷たい笑顔でこちらを見てくるだけだ。
しばらくの沈黙の末、ようやく坂柳さんが口を開いた。
「全学年合同リレー……大活躍でしたね。沢田綱吉君」
「え? は、はあ……」
「それに比べて、全然パッとしてませんでしたね。綾小路清隆君?」
「……俺の実力じゃ、そんなもんなんだよ」
呼び出ししてきた以上、こちらの名前を知っていてもおかしくわない。
でも、ようやく口を開いたかと思えば、少し嫌味っぽい事を言ってくるとは思わなかった。
「それで? お前でいいんだよな? 俺達を呼び出したのは」
「はい」
「何の用だ? 出来れば早く本題を切り出してほしいんだが」
「……今日1日、あなた達の事を見ていて思った事があるんです。その思った事を共有したいと思ってつい呼び出してしまいました。ふふ、まるで告白の前触れみたいですね」
「!? こ、告白!?」
「……何の事だかさっぱりだな」
綾小路君が俺の背中を叩いてくる。
落ち着けと言いたいのかな。
??カツン。カツン。
杖をつきながら、坂柳さんは俺達の目の前に来た。
「ふふふ、まずは挨拶からですね。……お久しぶりです、綾小路君。8年と243日ぶりですね」
「……は?
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