体育祭当日F 〜死ぬ気の結末〜
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った。
「堀北さん? 無理して歩かないほうが……」
「いえ、大丈夫よ」
それはちょうど俺がDクラスのテント前を通る時だった。
テントの正面まで来た少女は、俺の姿を捉えると深く息を吸い込み、……声を張り上げた。
「お願い……勝って! 綱吉君!」
「!」
その少女……堀北鈴音の全力の声援は、はっきりと俺の耳に届いた。
「……フッ」
パートナーになって初めての堀北からの願い事に、俺は思わず笑みがこぼれた。
(……ああ、もちろんだ。君からの初めての願い事、必ず叶えて見せる)
「……まかせろ! 鈴音!」
覚醒したように目を見開き、そう叫んだ瞬間、俺は爆発的にスピードを上げて走り出した!
『うおおお! また速くなりやがったぞぉ!』
それに呼応するように周囲の歓声も大きくなっていくが、俺の周りでは風切り音がほぼ全てをかき消していた。
??加速。
??加速。
??また加速。
どんどんとスピードが上がっていく。
この現象は、鈴音の声援のおかげで直感した事で引き起こされている。
死ぬ気の臨界点突破≠ナ全身を円を描くように巡らせていた死ぬ気の炎エネルギーを、ギュッと引き締めるイメージ。
全身の筋肉を覆うようにコントロールする。そうする事で、身体強化に特化した激スーパー死ぬ気モードに変化するわけだ。
(……死ぬ気の臨界点突破、physical enchantフィジカル・エンチャント!)
「うおおおおお!」
『!』
ゴールまで残り250m程度を残して、ついに俺は先頭の2名に追いついた!
ちらりと後ろを見て、俺が追いついた事に気付いた2人は笑った。
(ふっ、そうでなくてはな)
(ひゅ〜! 想像以上だよ沢田君!)
ゴールまであと200m。ついに2人に並んだ!
「まじか!? あの状況からトップに並びやがった!?」
「最優秀生徒候補が全員揃い踏みだ!」
3人が並んだ所で、歓声もさらに強く大きくなっていく。
一度は並んだ俺達だが、すぐに1位を奪い合う三つ巴のラストアタックが始まった。
抜いて、抜かれて、また抜いて。
それを繰り返しながら走り続け、ゴールまであと100mになった。
「会長! 勝ってください!」
「堀北く〜ん! 頑張
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