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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
体育祭準備@
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、いきなり味方と言われてもぎこちなくなって当然か)

 

 そんな膠着した場を動かしたのは、Aクラスの葛城君だった。

 

「思わぬ形で共闘することになったが、よろしく頼むぞ。出来れば揉め事を起こさずに互いの力を合わせられればと思っている」

「こちらこそよろしく葛城くん。僕達としてもそうしたいと考えているよ」

 

 葛城君と平田君は握手を交わし、協力しあう意思を示しあった。  

 

『……』

 

 葛城君の後ろに控えているAクラスの生徒達の中には、すごく不服そうな顔をしている人達もいた。格下のDクラスとは協力したくないと思っているのかもしれないけど、リーダーの葛城君が協力するつもりだから渋々付いて行ってるといった所だろうか。

 

 あれ? そういえば、Aクラスには葛城君の他にもう1人リーダーがいるって聞いてたよな。

 そのもう1人のリーダーは何も言わないのだろうか?

 

「なぁなぁ、あの子さ……」  

 

 その時。俺の近くで池君が誰かを指差しながら、小さくそう呟いた。  

 

 池君が指している方向を見てみると、そこには椅子に座っている小柄な女の子がいた。

 

 綺麗な銀髪で、椅子の横には杖が立てかけられている。

 足が不自由なのだろう。

 

「……それでだが」

 ??ざわざわ。

『!』

 

 葛城君達が話を進めようとした瞬間、急に体育館の中が騒がしくなった。

 

何かあったのかと白組の方へ視線を向けると、一ノ瀬さんと龍園君が何かを話している所だった。

 

「話し合うつもりはないってことかな?」  

「当然だ。たとえ俺が協力を申し出たとしても、お前らが信じるとは思えないしな。結局お互い腹の探り合いになるだけで、話し合う意味はない」

「ふ〜ん。私達にとってもその方がいいと?」

「そういうことだな。むしろ感謝してくれよ」  

 

 そして、龍園君は笑いながらCクラスの生徒全員を連れて歩き出した。  

 

「……独裁政権だな」

 

 俺の後では、綾小路君が的を得たコメントを呟いていた。

 

「でもさ、龍園君。協力なしで体育祭で勝てる自信でもあるの?」  

 

 歩きだした龍園君に一之瀬さんは食い下がったが、龍園君は足を止めようとはしない。

 

「……さぁな」  

 

 そう言い、龍園君はCクラスの生徒全員と共に体育館から出て行ってしまう。

 

 俺達赤組の1年生は、去っていくCクラスの背中を目で追いかけていた。

 

 

「……早くも動き出した
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