夏休み最後の5日間SS、そのA
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なら止める所だけど、本気で好きだから付き合いたいなら、俺が止めていいもんじゃないか。
「わかったよ。で。俺は何をすればいいの?」
「おう、佐倉にラブレターを渡して欲しいんだ!」
「え? それは自分で渡した方がいいんじゃ?」
「無理無理、俺の心臓が保たねぇよ」
自分の事をいいと思ってくれてる、って確信してるんじゃないのか?
まぁ俺も死ぬ気状態にならないと告白できなかったから、怖いのはよく分かるんだけども。
「ん〜、わかったよ。で、そのラブレターはもう書いたの?」
「もちろんだ!」
山内君はそう言うと、ブレザーの内ポケットから一枚の便箋を取り出した。
表面には『佐倉へ』と書かれている。
「本当は一昨日に書き終わってたんだけどな。昨日綾小路に書き直しを命じられてよ。今日の午前中で書き直しをしたんだ」
「綾小路君? なんで綾小路君が出てくるの?」
いきなり出てきた、綾小路君の名前。
綾小路君もこの件に一枚噛んでるのか?
「実はさ、本当は昨日告白するつもりでよ。でも俺、ラブレターなんて書くの初めてだったから、告白前に綾小路にラブレターの内容を見てもらったんだよ」
なるほど。綾小路君も山内君の告白に協力を頼まれたみたいだね。
「それで直した方がいいって?」
「そうなんだよ。で、告白は今日になったのさ」
へ〜、今日告白するのか。
山内君の行動力には少し驚かされる。でもそれなら、面と向かっての告白だってできそうな気もするんだけどな。
さすがにそれは恥ずかしいのだろうか。
「ちなみに、どこで告白するの?」
「ここだ! しかも、そろそろ佐倉がここに来る予定なんだ!」
「え!? 今からなの!?」
「おう! 頼むぜ沢田! せっかく櫛田ちゃんにお願いして呼び出してもらったんだからよ!」
俺を呼び出す時間のすぐ後に告白するなんて。
もしかして、最初から俺に協力させる気だったのか?
思わずジト目で山内君を見ていると、急に山内君は俺の背後に向かって手を振り始めた。
「……お、来たな。お〜い、こっちだぜ!」
「え? 誰が……あ、綾小路君!」
後ろに振り返ってみると、綾小路君がこっちに向かって来ているのが見えた。
そして、俺達の前まで来た綾小路君は、俺と山内君を交互に見回した。
「……仲直りはできたのか?」
「おう! バッチリだぜ!」
「そうか……で、協力も取り付けたんだ
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