夏休み最後の5日間SS、そのA
[6/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
(はは、ふざけすぎかな。この辺にしとこ……あれ?)
水筒から手を抜こうとしたら、抜けなくなっている事に気がついたんだ。
(あれ? 指までしか入れてないのになんで!?)
今更遅いけど、よくよく考えれば堀北さんと俺の手の大きさは結構違うから、嵌まってもおかしくなかったね……
(くそ、俺も洗剤で引き抜いて……って、もう水がない!?)
シンクの洗剤を洗い流すのに、残りの水を全部使い切ってしまっていた。
思わず数秒前の自分を恨んでしまう。
「沢田君? どうかしたの?」
「あ、あの……」
俺が慌てているのに気づいたのか、堀北さんがシンクを覗き込んできた。
そして、水筒に嵌まった俺の手に視線が止まる。
「……」
「ご、ごめん。懐かしくて思わず手を入れたら抜けなくなっちゃいました……」
「……」
堀北さんは俺の手を見つめたまま動かない。
「本当ごめん、新しいのを明日買って返すから!」
「……」
「ほ、堀北さん?」
「……ぷっ」
謝っても無反応なので相当怒っているのかと思っていたら、堀北さんは急に息を吹き出した。
「ふ、ふふふふw」
「……堀北さん?」
「ち、ちょっと、な、何をやっているの沢田君っ、ふふふふw」
俺のバカさ加減が面白かったのか、堀北さんは笑ってしまっている。
それから2分程笑い続ける堀北さん。
やがて落ち着くと、無言のままの俺に声をかけてくる。
「ご、ごめんなさいね。堪えきれなかったわ」
「……」
「沢田君? そんなにショックだったのかしら?」
「……ううん、そうじゃなくてさ」
「じゃあ何かしら?」
「……堀北さんが楽しそうに笑う所を初めて見たからさ」
「っ! ///」
堀北さんは、俺の発言にさっきよりも顔を赤くした。
やっぱり笑っているのを見られるのは恥ずかしいのだろうか。
「し、しょうがないじゃない! 貴方が余りにも滑稽だったから、これは貴方のせいでもあるのよ!」
「あ、別に笑ってるのが変だと思ったわけじゃないんだ」
「? じゃあ何?」
「今まで見た事ない堀北さんが見れたから、嬉しいなぁって」
「っ///」
「笑ってる堀北さん、すごい可愛いかったなぁ」
「っっ/// ……ふんっ!」
「ぐえぇっ!?」
さらに顔を赤くした堀北さんの拳が、鳩尾にクリーンヒットする。
何か言って
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ