船上試験、最終日昼。
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」
「……証拠、ですか?」
「そうそう! あ、あれなんていいんじゃね? 初日に届いたメール。あれには自分が優待者かどうか記載があるし、ごまかしもできねぇだろうから証拠になるだろ!」
学生証端末にはスマホと同じSIMカードが入っている。だが、SIMカードの入れ替えはできないようにロックがかかっているから、他人の端末を自分の端末と偽る事はできない。このルールが王ちゃんが優待者であるという確実な証拠になると考えたのだ。
「なるほど、確かにそうですね」
「だろ? あ、念のために俺にも見せてくれない?」
「え? どうしてです?」
「王ちゃんが報告した後、俺も後押しした方が信用度もあがんだろ?」
あくまで自分は王ちゃんの評価を上げる為のアシスト。それを前面に押しだしていく。
「……なるほど。ありがとうございます」
「い、いいよいいよ! さ、早速見せてくれよ!」
「わかりました……」
俺が急かすと、王ちゃんは自分の学生証端末を操作し始める。そして、メールを表示したディスプレイを見せた。
『厳正なる調整の結果、あなたは優待者に選ばれました。
グループの一人として自覚を持って行動し試験に挑んで下さい。
本日午後1時より試験を開始いたします。本試験は本日より3日間行われます。
巳グループの方は2階巳部屋に集合して下さい』
表示されたディスプレイを見て、俺はニンマリと微笑んだ。
(ふっ、これなら問題ないな)
「確かに優待者みたいだな。よし、じゃあ小狼様に報告したら教えてくれよ?」
「……はい」
「あ、でも待てよ? ミッション完了報告の後に伝えた方がもっと好印象なんじゃね?」
「……では、作戦が成功してから報告する事にします」
「それがいいな!」
微笑んでいる様に見せながら心の中で考えを巡らせる。
(納得した様に見えるが、王ちゃんの顔は曇っている。きっと自分が優待者である事を小狼様に教えたくねぇんだろうな。でもそれなら……作戦成功後、王ちゃんが葛藤している隙に俺が報告する事もできそうだな)
?? 時が進み現在 ??
「……あの、小狼様?」
「なんだ?」
「実は、報告する事がもう一つあるんすよ」
「もう一つだと?」
「はい」
作戦完了後すぐにここに来たので、王ちゃんがまだ小狼に報告してない事は確実。それが決め手となり、自分の口から小狼の役に立つ情報を報告する事に決めた。
「小狼様の巳グループなんですけど、優待者
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