船上試験、休養日。
[10/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い。昨日の話の続きがしたい』と電話があった。
『やっぱり私のお願いを聞いてくれる気になったんだ』。そう思った私は、言われた通りにここに来たのだ。
(……平田君はまだかしら……!)
地下施設の入り口から、足音が聞こえてくる。
??カツカツ。
平田君が来たんだと思った。
??カツカツ。
……でもおかしい。
??カツカツ。
近づくほどに足音が増えている様に感じる。明らかに1人じゃなかった。
(……平田君、誰か連れて来たの? ……真鍋さん達じゃないでしょうね)
私のその予想は当たっていた。
??カツカツ!
……私の予想よりも最悪の形で。
「あれ〜? 軽井沢じゃん? なに? 待ち合わせ?」
「な、なんで……ここに」
現れたのは真鍋とその取り巻き2人。あとメガネをかけた女子もいる。
(! あの子は確か……こないだぶつかった子?)
どうやら、真鍋さんはリカって子も連れて来たらしい。
「じゃ、役者は揃ったし。始めようか! 軽井沢の、土下座撮影か〜い♪」
「いいねいいね〜♪」
「やっちゃお〜♪」
「!」
真鍋さん達が学生証端末を取り出しながら近づいてくる。
「昨日は逃げられたけど〜、ここなら誰も助けてはくれないねぇ?」
「ってか、もう逃さないし〜?」
「それなそれな〜♪」
「ひぃっ……」
じりじりと近づいてくる真鍋さん達に思わず小さい悲鳴が出た。昔の記憶がフラッシュバックして心臓の鼓動が不規則になる。
「っ、……っ」
「ぷっw ひっ、だってぇ〜」
「さすがはいじめられっ子。悲鳴が板についてるねぇ♪」
「ほら、さっさとリカに土下座しろよ!」
「い、イヤァ……」
あと数センチで真鍋さんが私の髪の毛を掴む程に近づいて来た、その時。
「ちょっと待って! 止めてください!」
「! 誰よ!」
「今いいとこなんだけど!?」
「邪魔すんなし!」
「ごめん。でも、さすがに止めずにはいられないよ」
1人の男子が地下施設の入り口から中に入って来た。
その男子は、私のクラスメイトだった。
「……沢田、君?」
クラスメイトの沢田綱吉君。私の過去を知っている同い年の男の子。
沢田君に過去の事を話したのは、前に体を張って須藤を助けて
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ