船上試験、休養日。
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?」
「うん、仲間同士なら迷惑かけて当然だし、かけられて当然。お互い助け合う仲間として過ごしていく内に、それが自然になっていくんじゃないかなって思うんだ」
「……私が、沢田君達の役に立てるわけ?」
今回は特殊な例だ。私の身代わりになった沢田君を、本来あるべき形に戻す事で助けたってだけだから。
「もちろん!」
「……例えば?」
「俺達はDクラスをAクラスにしたいって思ってるんだ。その為に軽井沢さんの力を借してほしい」
「? 私がAクラスに上がる為に何かできるの?」
「うん。軽井沢さんって女子のまとめ役じゃない? そんな君がいれば、クラスをまとめないといけない時にとっても助かるよ」
沢田君はとても嬉しい事を言ってくれている。
でもその言葉の中に、一つだけ心配な事があった。
「……なるほどね。でも、私は別にAクラスに上がりたいとは思ってないのよ。……それでも仲間になれる? 目標が同じじゃないのよ?」
「大丈夫だよ。目指すものが違っても、たとえ昔敵対してたとしても、仲間になる事はできるんだ。俺はそれを体験してるから間違いないよ」
「……」
「俺達が君の事を絶対に守る。君が中学時代の様な思いを絶対にしないように守り切ると誓うよ」
そう言って、沢田君は片手を差し出して来た。
その手に吸い込まれる様にして、私も手を差し出した。
そして、沢田君の手に包まれた私の手から……心地のいい暖かな光が流れ込んでくる様な感覚を覚えた。
「……わかった。よろしくね」
「うん! こちらこそ!」
「……よろしくな」
沢田君の手を離すと、今度は綾小路君が話を切り出した。
「で、さっそくやって欲しいことがある」
「……何?」
「俺達のグループ、兎グループの試験に勝ちに行くんだ」
そして、綾小路君は作戦の詳細を私に説明し始めた……
??ツナ達が軽井沢を助けてから数時間後、夜が少し更けて来た頃。
歌劇場の裏手に、2人の男女が立っていた。
「……完全に寝てんなぁ」
「はい。睡眠薬入りの飲み物を飲ませましたから」
「よく睡眠薬なんて手に入れたなぁ」
「ポイントで買ったんですよ」
「ふ〜ん」
2人の足元には、大きな麻袋が置いてある。ちょうど人が1人入れそうな大きさだ。
「よし、さっさと海に落としちまおう。それでミッションコンプリートだ」
「……はい」
男女は2人で麻袋を持ち上げて、船の縁に乗っけた。
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