船上試験、休養日。
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して、その怒りが私ではなく沢田君へと向けられている様に感じた。
「はっ! そこまで偉そうな事言うなら証明してもらおうじゃない! あんたに軽井沢の身代わりになってもらうわ! ほら、さっさと土下座しなさいよ!」
「分かった。じゃあ、俺が身代わりになれば軽井沢さんの事許してくれるんだね?」
「そうよ! だからさっさと土下座しなさいよ!」
「わかった、ありがとうね」
……ありがとう?
どうして沢田君は自分にひどい事をしようとする相手にお礼が言えるの?
私の事を許してくれたから? でもそれだけでお礼なんて言える?
代わりに自分が酷い目に遭うのに。
沢田君は言われるままに土下座をした。そして、それを笑いながら真鍋さん達は写真に納めていく。
「あっはっは! あんたに襲われそうになったって情報を流してやるかんね」
「おお! それいいねぇ〜♪」
! 嘘の情報を流すつもり?
沢田君もさすがにそれは受け入れられないんじゃ……
「……」
しかし、沢田君は土下座をしたまま動かない。
(……なんで? どうして動かないの?)
沢田君がされるがままになっている姿を見たまま、動けずにいると、私の学生証端末からメールの受信音がなった。
??ピロン。
(! 誰よこんな時に……あ、でも平田君だったら沢田君を助けてもらえるかも……)
そんな希望を抱きつつこっそりとメールを開くと、差出人は知らないアドレスからだった。
(……平田君じゃない。誰よもう……!)
差出人不明のメールには件名はなく、本文が一文だけ入力されていた。
『沢田は信じてるぞ。軽井沢が一緒に謝罪してくれる事をな』
! 沢田君が私の事を信じてる?
どう言う事、私が謝るのを沢田君は待ってるって事?
??ピロン。
(! また?)
またも受信音が鳴り、確認すると同じアドレスからのメールだった。今度も件名なしの本文のみだ。
『謝るのは嫌か? まぁそうだよな。自分をいじめようとする奴らに謝るなんて苦痛だよな? ……でもな。お前は沢田の思いに答える必要があるんじゃないか? お前の為に土下座してる沢田を、助けられるのはお前だけなんじゃないか?』
さっきまでの会話を聞いていたかのような内容だ。
でも今はそんな事はどうでもいい。
このままでは、沢田君は女子を襲ったけど失敗した最低で
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