船上試験、休養日。
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の謝罪で許してくれる? それか、軽井沢さんの代わりに俺に制裁する事で許してくれる?」
「……そもそも、なんで軽井沢の為にあんたが犠牲になんのよ! 何の得があんの?」
「得? ……自己満足?」
「はぁ!?」
「俺が軽井沢さんを助けたいから助けるだけ。完全な自己満足だよ。そこに軽井沢さんは何の関係もない。俺の一方通行だからね」
「バカじゃないの? あいつは男を盾にして自分は逃げる卑怯な女よ! 平田君を利用して守ってもらってるだけの寄生虫の様な女なんだよ!」
「っ!」
真鍋さん達に嫌な所を突かれてしまった。
沢田君には私が寄生虫である事を悟らせたくなかったのに……
「……」
……そう。私は平田君と言うリーダーの彼女というボジションを得る事でクラス内での確固たる地位を築き上げた。私1人ではそんな事は不可能だ。
さすがの沢田君も私の本性に呆れるかと思った。でも、沢田君は表情を変える事もなく淡々と反論してくれたのだ。
「軽井沢さんは寄生虫じゃないよ?」
「はぁ? 寄生虫でしょ?」
「違うよ。だって平田君は軽井沢さんの事を自分の意思で守ってるんだから」
「……それが何?」
「寄生虫っていうのは、宿主の養分をただ奪っていく奴のことでしょ? 平田君と軽井沢さんはお互いに納得の上でそういう関係になってるんだから、寄生虫とは言わないよ」
「そんなの屁理屈でしょ?」
「そんな事ないよ? 人間なんて1人では生きていけないんだから、誰しもが誰かに迷惑をかけてるし、迷惑をかけられているんだ。俺もそうだし、君達もそうだろ?」
「……」
……初めてだ。私の事をただ肯定してくれる人に出会ったのは。
平田君は優しいから、私の境遇に同情して助けてくれているんだと思う。
でも、私が寄生虫だと言った時、強く否定はしてくれなかった。
それは、彼の中でも私を寄生虫だと思う部分もあるという事だ。
別にそれをひどいとは思わない。私自身が自分の事を寄生虫だと思っているから、他人からも思われても当然だから。
……でも、それをはっきりと否定してくれたのは、沢田君が初めてだった。
「誰かを頼るのはおかしい事じゃないよ。もちろん一方的に迷惑をかけ続けるのはよくないけど、軽井沢さんはそれには当てはまらない。軽井沢さんと平田君の事をよく知りもしないでそんな事を言うのは良くないよ」
「……」
さっきまで呆れた顔になっていた真鍋さんが、怒りで顔を歪め始めた。沢田君の言う事に反論できないのかもしれない。
そ
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