船上試験、休養日。
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いたこの人なら、暴力から私を守ってくれるんじゃないかという下心でしかなかった。
でも、本当に助けに来てくれた。平田君が頼んでくれたのかもしれない。
「……とにかく、暴力はやめようよ」
「はぁ? あんたに関係ないでしょ?」
「そんな事言ったら君達も当事者じゃないでしょ?」
「ぐっ……」
真鍋さん達が押されている。このまま沢田君が真鍋さん達を退けてくれたらいいな、そう思っていた。
が、沢田君は想像もしてなかった行動に移った。
「……軽井沢さんが、君達の友達にぶつかってしまった事は本当なの?」
「そうよ! ねぇ、リカ?」
「う、うん。本当です」
リカって子が頷くと、沢田君は今度は私の事を見て来た。
「軽井沢さん、どう? ぶつかったのは覚えてる?」
「……ええ」
ここで嘘をつけば、真鍋さん達が激昂しかねないから本当の事を言うしかない。
それに、認めても沢田君がどうにかしてくれるだろうと思っていた。
「そっか。じゃあ謝らないといけないね……」
「! ……わ、私は嫌!」
「まぁそうだよね。じゃあ代わりに……」
でも、沢田君は……
「! あ、あんた何してんのよ!」
「? 土下座しろって言ってたじゃないか」
「軽井沢に土下座しろって言ったのよ!」
私の目の前で、真鍋さん達に土下座をし始めたのだ。
「まぁまぁ。君達も代理で謝罪を要求してるんだから、こっちも代理人が謝罪してもいいじゃない?」
「はぁ!?」
「その代わりほら、俺の土下座を撮影してくれて構わないから。それに、さっき軽井沢さんにしようとしてた事を俺にやってくれてかまわないからさ」
「何言ってんのよ!」
私にも分からなかった。どうして沢田君がこんな事をするのか。脅すとかして諦めさせればいいのに。
「ぶつかったのはこっちが完全に悪いからさ。そこはきちんと謝罪するよ。本当にすみませんでした」
「あんたに謝られても意味ないのよ!」
「そこをなんとか。俺に何でもしていいからさ。土下座してる所を写真に撮って拡散してもいいし。それでどうにか許してもらえないかな?」
「ああもう! あんた何なのよ! 軽井沢がさっさと謝らないのが悪いんでしょ! 口を挟まないで!」
「……でも、だからって君達のように暴力を振るおうとするのは受け入れられないよ」
「そんな事してないわよ!」
「でも、昨日幸村君が止めた時は暴行してたんでしょ?」
「ぐっ……」
「……どう? 俺
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