船上試験、2日目夜。
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笑った。
「……わかんない。でも、途中からもう山内君や小狼に従う必要はないって思いが強くなったの。……私、親不孝だったかな。まだ両親が無事かもわからないのに」
自虐する様にそう言うみーちゃん。
でもそれは違う。みーちゃんがそう思えたのはきっと、ご両親の方も日本でみーちゃんの事を思っているからだ。もう大丈夫だよ、安心しなさいってね。
その事を伝える為に、俺はみーちゃんの言葉を否定する。
「そんな事ないよ」
「え?」
「きっと、みーちゃんは虫の報せを受けたんだよ」
「虫の、報せ?」
「そう! ご両親はもう大丈夫。安心していいよってね」
俺のその言葉を聞き、みーちゃんがハッとした顔になる。
「そ、それってまさか……」
「うん。さっき報告を受けたんだ。みーちゃんのご両親はボンゴレで保護したから、もう心配しなくていいよ」
「! そ、そっか。よかった! 本当に! よか……った」
?? バタン!
「! みーちゃん!」
両親の無事が分かったみーちゃんは、目に涙を溜めながらスイッチが切れた様に倒れてしまった。
怖い出来事と嬉しい出来事が同時に起きすぎて、ずっと張り詰めていた緊張の糸が切れたのだろう。
「……気を失っているだけだとは思いますが、医務室で見てもらった方がいいかもしれませんね」
「医務室か。運ぶにしても結構遠いな……あ、それなら!」
「?」
ある事を思いついた俺は、学生証端末を取り出して通話をかける事にした。
??プルルルル。……ガチャ。
「はい! アルロで〜す!」
通話相手はアルロだ。
「アルロ、京子ちゃんとハルに連絡を取りたいんだ。2人に繋いでくれない?」
「京子とハルにですか? わかりました! すぐ近くの部屋だから、今から行くね!」
そしてしばらく保留音が鳴り響いた後、女の子の声が聞こえて来た。
「……はい。京子です」
「あ、京子ちゃん。夜にごめんね?」
「ううん、大丈夫だよ。どうしたの?」
「あのさ、京子ちゃんとハルに診て欲しい子がいるんだ。あんまり動かすのも危ないかもしれないから、俺がいる所まで来てくれない?」
「わかった。ハルちゃんとすぐに行くよ」
「ありがとう。場所は歌劇場の裏手だから」
??ピッ。
通話を終えた俺は、ひよりちゃんに報告した。
「姉妹校の看護に詳しい友達を呼んだよ。すぐに来
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