船上試験、2日目昼。
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ら3回目のグループディスカッションだ。
B・C・Dの3クラスは所定の椅子に座っているが、Aクラスは相変わらず少し離れたソファーに座っている。
一応確認する為か、進行役のひよりちゃんが小狼君に声をかけた。
「……Aクラスは、今回も話し合い放棄ですか?」
「当然だ。話したいなら、お前らだけで話し合え」
「はぁ……分かりました」
小さくため息を吐いたひよりちゃんは、ブレザーのポケットから何かを取り出した。
「……トランプ?」
「ええ。昨日の内に話し合える事は話し合ったと思うので、時間を有効に使う為にトランプで遊んで親交を深めませんか?」
皆を見回しながらそう聞くひよりちゃん。
ほとんどのメンバーが頷く中、石崎君だけは「俺はパス」と言って椅子ごと少し離れて行ってしまった。
「じゃあ、残りの9人でやりましょうか。そうですね……まずは定番のババ抜きでもやりましょうか」
結局それから1時間、ババ抜きを何回かやって過ごした。
(ん〜。膠着状態だなぁ。優待者側からすると嬉しい状況だけど、結果4を狙うにはよろしくないよなぁ)
午後2時になり続々と巳部屋から退出していく。
今回も最後に巳部屋から出ると、ドアの前にいたひよりちゃんに声をかけられた。
「ツナ君」
「? ひよりちゃん、どうかした?」
「はい。実は、今日のお昼時に変な事があったんです」
「変な事?」
「ええ。クラスメイトの女子に話しかけられたんですが、その女子が変なんですよ」
「何が変なの?」
「どこからどう見ても本人なんですけど、なんか別人の様な気がするんですよね」
どう見ても本人なのに別人。……1つだけ心当たりがあるな。
「別人? どういう事?」
「……もしかしたら変装なんじゃないかって思ったんです」
「変装? あはは、まさかぁw」
「でも、私の予想通りに変装でしたよ?」
「え?」
変装だったと言い切るひよりちゃん。
まさか、ビアンカの変装が見破られたのか?
少しの不安を覚えていると、なぜかひよりちゃんは微笑んだ。
「あ、それと……龍園君の周りをコソコソしている姉妹校の女子もいましたね」
「!」
間違いなくひよりちゃんが言っているのはカルメンの事だろう。
その事に気付いてから、ひよりちゃんの目に何らかの確信がある様に感じられた。
「ふふっ、大丈夫ですよ。気づいてるのは私だけです。……でも、
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