船上試験、1日目夜。
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。
「それで、皆グループはどう?」
「兎グループは膠着状態だ。Aクラスが話し合いを放棄してる」
「……だなぁ」
「巳グループもだよ、Aクラスのメンバーが話し合いには参加しないって言ってるから、話し合いが全然進まない」
「そうか。それはAクラスの作戦なんだろうね」
平田君の言う通り、葛城君の作戦なんだろうな。
提供できる情報はこれくらいかと思っていたら、平田君は周囲を確認してからさらに話を続けた。
「……実は、Dクラスに優待者が1人いる事を確認したんだ」
「! 誰だ!?」
平田君の話に幸村君が食いついた。平田君は学生証端末のメモ帳に何かを入力してから、俺達にスマホの画面を見せて来た。
『優待者は、櫛田桔梗』と表示されている。
’(桔梗ちゃんも優待者なのか、これでDクラスの優待者は2名いる事が分かった)
「……学校の公平性から考えれば、優待者は各クラスに平等にいる可能性が高い。だとすれば、あと2名はDクラスにも優待者がいる事になるな」
幸村君が顎に手を添えながらそう言った。
(4クラス×3人で12グループって事か)
「……」
「……」
無意識の内に綾小路に視線を向ける。すると、綾小路君もこっちを見ており俺に向かって頷いた。
(おお、以心伝心?)
俺も優待者である事を伝えるかどうか迷っていたけど、綾小路君からもOKが出たから報告しちゃおう。
「皆、あのね?」
「どうした、沢田」
「何かな?」
幸村君と平田君の視線を集めてから、俺は学生証端末のメモ帳に文字を入力し始めた。
そして、入力し終わったメモを2人に見せる。
画面には『俺も優待者だよ』と表示されている。
「!」
「! そっか……」
俺のメモを見て、平田君と幸村君は考えこみ始める。
「……やはり、各クラス3人ずつ優待者がいる可能性は高いな」
「そうだね。その人物が分かれば、優待者の選定方法も分かるかもしれない」
「……だな。でも、残りの1人が自白してくれるかは分からないがな」
「うん、そこは本人の意思次第だしね」
それから、俺達はもう1人の優待者が分かれば共有しようと約束して分かれた。
「……沢田、もうすぐ堀北と集まる時間だぞ」
「うん。一緒に行こう」
時刻は9時25分。いい時間なので俺は綾小路君と一緒にカフェテリアへと向かった。
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