暁 〜小説投稿サイト〜
ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
船上試験、1日目夜。
[9/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 

「それで、皆グループはどう?」

「兎グループは膠着状態だ。Aクラスが話し合いを放棄してる」

「……だなぁ」

「巳グループもだよ、Aクラスのメンバーが話し合いには参加しないって言ってるから、話し合いが全然進まない」

「そうか。それはAクラスの作戦なんだろうね」

 

 平田君の言う通り、葛城君の作戦なんだろうな。

 

 提供できる情報はこれくらいかと思っていたら、平田君は周囲を確認してからさらに話を続けた。

 

「……実は、Dクラスに優待者が1人いる事を確認したんだ」

「! 誰だ!?」

 

 平田君の話に幸村君が食いついた。平田君は学生証端末のメモ帳に何かを入力してから、俺達にスマホの画面を見せて来た。

 

『優待者は、櫛田桔梗』と表示されている。

 

’(桔梗ちゃんも優待者なのか、これでDクラスの優待者は2名いる事が分かった)

 

「……学校の公平性から考えれば、優待者は各クラスに平等にいる可能性が高い。だとすれば、あと2名はDクラスにも優待者がいる事になるな」

 

 幸村君が顎に手を添えながらそう言った。

 

(4クラス×3人で12グループって事か)

 

「……」

「……」

 

 無意識の内に綾小路に視線を向ける。すると、綾小路君もこっちを見ており俺に向かって頷いた。

 

(おお、以心伝心?)

 

 俺も優待者である事を伝えるかどうか迷っていたけど、綾小路君からもOKが出たから報告しちゃおう。

 

「皆、あのね?」

「どうした、沢田」

「何かな?」

 

 幸村君と平田君の視線を集めてから、俺は学生証端末のメモ帳に文字を入力し始めた。

 そして、入力し終わったメモを2人に見せる。

 

 画面には『俺も優待者だよ』と表示されている。

 

「!」

「! そっか……」

 

 俺のメモを見て、平田君と幸村君は考えこみ始める。

 

「……やはり、各クラス3人ずつ優待者がいる可能性は高いな」

「そうだね。その人物が分かれば、優待者の選定方法も分かるかもしれない」

「……だな。でも、残りの1人が自白してくれるかは分からないがな」

「うん、そこは本人の意思次第だしね」

 

 それから、俺達はもう1人の優待者が分かれば共有しようと約束して分かれた。

 

「……沢田、もうすぐ堀北と集まる時間だぞ」

「うん。一緒に行こう」

 

 時刻は9時25分。いい時間なので俺は綾小路君と一緒にカフェテリアへと向かった。

 

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ