特別試験の全貌〜綾小路side〜
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その後は1日特に動きはなく、5日目も何事もなく過ぎて行った。やった事と言えば、龍園の手伝うフリをして森を散策しただけだ。
そして、運命の6日目が来た。
まず俺が行ったのは、沢田と仲間の分断だ。
最初に獄寺を浜辺のほうに誘導する。これは沢田との接触及び俺の監視の阻止の為だ。池と須藤に3日間昼飯を奢る事を条件に遂行してもらった。
次にクロームとか言う女子の誘導だ。平田に「もっと他クラスとの交流を積極的に行うべき」とか、「沢田いわく人見知りだからこちらからガンガン行った方がいいらしいぞ」とか助言をしておいた。責任感の強い平田なら放っておかないだろうし、平田が動けば軽井沢を筆頭に数名の女子も一緒に動く。これでクロームは動きづらくなっただろう。
そして、俺は伊吹の隠している無線機を使い、龍園に落とす時の細かい指示を伝えてから佐倉と櫛田に「沢田が呼んでいたぞ」と言って森の最深部へと誘導した。この2人にした理由は、堀北を除いた女子で一番沢田を信頼している2人だからだ。
数十分後。龍園から準備完了と無線機で連絡が入った。
それを受けて、正午に拠点に帰ってきた沢田に声をかけた。
当然、沢田は怒りに満ちた顔で2人を助けに向かった。
ここまでは俺の計画通り。
これで2時間くらいは時間が稼げたはずだ。
森の最深部には往復で40分はかかる。砂浜から助け出すのと、龍園をどうにかするのにも時間がかかるからだいたい2時間はかかるだろうという計算だ。
沢田がいなくなり、俺は次なる作戦を結構する。
一度教師用施設に行ってから、伊吹、山内、池、堀北、そして松下という女子を連れて川に向かう。
「よ〜し、魚捕まえるぞ!」
池が張り切って魚釣りの準備をする中、俺は小声で堀北に話しかけた。
「……堀北。カードキーを見せてくれないか?」
「え? ……いいわよ」
「サンキュー」
堀北からカードを受け取り、こっそりと確認をする。
だが実際には後ろから伊吹がこちらをこっそりと見ている事が分かっていた。
これで伊吹には堀北がDクラスのリーダーだと分かっただろう。
後は伊吹にカードキーを盗ませるだけ……
(……今思えば、堀北がすんなりカードキーを渡してくれたのはおかしかったな)
堀北にカードキーを返し、背中に手を回して山内に合図を送る。
「おい堀北。お前最近、沢田と仲良いよなぁ。もしかしてできてんのか?」
「……意味のわからない戯言は言わないでくれ
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