?? 特別試験終了後、浜辺 ??
[12/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
俺は砂浜と海、そして崖を見回して、2人が無事な理由と綾小路が言っていた、「今は無事」という言葉の意味を悟った。
まず、下に敷かれたマットレス。これは夜の会合でドナートから聞いた事だが、備品の一つである高級マットレスはボンゴレが開発した優れものらしい。
その素材は、高所からの飛び降りスタントなんかに使われるマットの数倍の衝撃吸収率を持っているらしい。更に、1つのマットレスに10人の成人男性が毎日寝たとしても10年はへたらない程の耐久性もあるそうだ。この素材を2枚敷く事で、15mの落下の衝撃から2人の身を守ったのだろう。
……でもそうなんだとしたら、マットレスの性能を見抜き、そして正確にそこに落下するように計算しないといけないはず。綾小路はそれを可能にするほどに優れた頭脳を持っていると言う事だ。
またDクラスはマットレスを買っていないから、龍園にCクラスの購入した物を準備させたのだろうか。
次に、綾小路の言っていた「今は無事」という言葉の意味。
よく見ると分かるが、海面から5mくらい上の崖面に海面に近い所に生息する貝がいくつかくっ付いているのだ。
これから分かることは、少なくともその貝がくっ付いている場所までは海面が上がるということだ。波が行くだけでは貝が住み着く事はない。つまり、あそこまで海面が上がる時間が数時間はあるのだろう。
ここでもう1つ綾小路の言葉を思い出す。
『……この時間、島は干潮なんだよ』
干潮、つまり時間が立てば今よりも海面は上に上がると言う事。
やっぱり間違いない、満潮になれば貝がくっ付いている所……ここから5mくらい上まで水位は上昇する。今いる砂浜は完全に海の中に沈んでしまうだろう。
しかしこの砂浜から抜け出すには、崖を登るか海を泳いで最初に上陸した砂浜を目指すしかない。
2人は崖を登る事は出来ないだろうし、ここは森の最深部。砂浜とは真反対に位置している為、砂浜までは森の中を直線的に走っても15分はかかる。泳いで回り込むとなれば40分以上は泳ぎ続けないといけないだろう。
(なるほどな。確かに今は無事だ。だが、満潮になったら砂浜にたどり着く前に疲れて溺れてしまう可能性がある。……綾小路と龍園。お前達はどうしてこんな事ができるんだ……)
綾小路と龍園に怒りを覚えるが、今は2人を助ける事が最優先だ。
「……桔梗、佐倉。今から1人づつ背中に背負って崖を登るぞ」
「えっ!? そんな事できるの?」
「さ、沢田君。危ないよ……」
俺の言った事に2人
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ