?? 特別試験終了後、浜辺 ??
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「……綾小路」
「! ……なんだ?」
「後できちんと説明してもらうからな」
そう言い残し、俺は全力疾走で森の中を進んで行った。
この時に俺が飲み込んだのは、当日の朝に渡されたクローム特製の小言丸の有幻覚だ。
中にクロームが霧の炎を閉じ込めてくれているので、飲み込めば激スーパー死ぬ気状態に近い状態になる事ができるらしい。
俺は激スーパー死ぬ気状態で森の最深部まで走り抜けた。
……この時、俺は怒りで気づく事ができていなかった。綾小路君の作戦に備えて俺の側にいたはずの、獄寺君の姿が見えなくなっていた事に……
〜 特別試験6日目、森の最深部 〜
全速力で走り、森の最深部に着くと森の地面の終わりが見えた。
(あれが綾小路の言っていた崖か……)
崖に近寄ると、道の終わりの先には海が見える。ここから海面まで大体15mくらいだろうか。
桔梗と佐倉が無事である様に祈りながら崖下を覗き込むと、真下には楕円形の全長3mくらいの小さい砂浜が見えた。
そしてその上に何やら白いものが敷かれていて、その上に桔梗と佐倉が項垂れて座り込んでいる。
俺は大声で2人に呼び掛けた。
「桔梗! 佐倉! 大丈夫か!?」
『! ツナ君!(沢田君!)』
俺の大声に反応して、2人が崖の上を見上げる。
2人ともすごく不安そうな顔をしている。
「怪我はないか!?」
「う、うん! 怪我は特にないよ!」
「わ、私もですっ!」
よかった。2人とも怪我がないようだ。
……しかし15メートル上から落下して怪我がないなんて、2人とも強運の持ち主だな。
そんな事を考えている暇はない。早く2人を助けてやらないと。
俺は崖を伝って2人がいる砂浜まで降りた。
「わっ! ツナ君、危ないよ!」
「だ、大丈夫!?」
崖から降りたものだから、2人に俺の体を心配させてしまった。
「大丈夫だ。すぐに上に上がろう。……ん? この下に敷いてあるのは……」
砂浜に敷かれていたのは、今回の試験で最も高い備品、高級マットレスだった。しかも2枚重ねられている。
「……マットレス?」
「あ、うん。私達、目が覚めたらこの上に寝ていたの。なんでこんな所にいるのか分からなくて怖かったんだけど、ツナ君が来てくれて安心したよ」
「……そうか」
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