滅神魔法と滅悪魔法
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ルに期待を寄せているのか、その理由が自然と浮かび上がってきた。
「シリルは天使の子。そしてそれと思われる魔法を保有しているからこそ、より伸び代が期待できる」
「あぁ、そういうことだ」
「でもレオンは?レオンもまだまだ伸び代は期待できるでしょ?」
二人とも年齢は一つしか変わらない。元々の力の差もある上に肉体の成長はレオンの方が早く起きた。そうなるとレオンの方がさらなる進化を遂げそうなものだとリュシーは考えていたが、それを男は否定する。
「レオンはあいつと違って満たされているからな。負の感情が薄れてしまえば、今までのような急激な成長は見込めない」
衰えることはないとしても、と付け加える男。彼らの事情を知っている三人はそれを理解すると、そのうちの一人、ヨザイネは笑みを浮かべた。
「じゃあシリルはレオンに勝てる!?」
期待に胸を膨らませ、満面の笑みでそう問いかけた堕天使だったが、男はそれにタメ息をついた。
「それじゃあレオンが使い物にならない可能性が出てくるだろ?」
「あぁ、それもそっか」
「恐らく二人の勝負は・・・シリルの成長次第で分けになるだろうな」
「それで被害が最小になってくれれば文句はねぇけど・・・」
「二人とも消し飛んだりしたら・・・」
「それはない」
不安そうな彼らの心配をバッサリと切り捨てる男。その表情は自信と言うよりも、祈りのようにも見えた。
「あいつらがそう簡単にくたばらないのは知っている。シリルとレオンを除いた連中もな」
「意外ね、あんたがそんなにみんなを評価するなんて」
まるで虫けらでも見るような目で彼らのことを品定めしていると思っていただけに彼からそのような言葉が出てきて困惑する面々。ただ、それには彼自身のプライドが関係していた。
「あいつらがそんな簡単に壊れられたら、仕留めきれなかった俺がバカすぎる」
「あぁ・・・」
「確かに!!」
「あんたの攻撃に耐えれたんだもん!!絶対大丈夫じゃん!!」
彼と戦ったことのある三人だからこそ、その一撃の重さをよくわかっている。そしてその場にいるのは彼の猛攻に耐え抜いたものたち。そのことを踏まえれば、問題がないような気になってしまった三人は笑顔を覗かせていた。
(まぁ、あとはその場にどんな連中がいるかによるけどな)
彼らの無事を確信しつつも、三人に悟られないようにわずかな不安を抱く男。彼はその後の行く末を、ただ待つことしかできなかった。
「「うおおおおおお!!」」
ぶつかり合う冷気と冷気。互いのことを誰よりも理解し合っている二人の表情は戦っているというのに楽しげなものになっていた。
「もう限界なんじゃねぇのか!?
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