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ヤザン・リガミリティア
獣達の胎動
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がすぐに気を取り直してヤザンに嘆願する。

 

「そ、そうです!俺達をパイロットにしてください!」

 

比喩表現ではなく本当に床に額を擦り付けてオデロが言えば、ヤザンは声のトーンを落として尋ねる。

 

「ダメだと言ったろう」

 

「何でですか!

ウッソは俺達より年下なのにあんなに頑張ってるのに!

若いからってのは理由になりませんよ!」

 

「年齢は、正直言えば問題じゃない。

問題は経験年数だと言ってるんだよ、小僧ども。

ウッソは一桁の年齢からMSシミュレーターを続けていて、俺達と合流した時には新兵どころの腕前じゃなかった。

いきなりベテラン格の技術を持ってたんだ。

即戦力だったのだから、すぐに採用も当たり前だ」

 

「う…」

 

余りにも当たり前の事を言われて、また言葉に詰まる。

だがすぐに反論要素を見つけて、トマーシュが食いついた。

 

「じゃ、じゃあカテジナさんはどうなんです!

あの人は元々ウーイッグのお嬢様で、シミュレーター含めてまるで経験なんて無かったですよ!」

 

「あいつか…確かにな」

 

意外なほど素直にヤザンは認めてやや考える素振りを見せて、これは取っ掛かりになるとオデロとトマーシュは少し目を輝かせた。

しかし、

 

「だがカテジナは、俺にMSに乗せろという前にパイロットの訓練室に忍び込んで勝手にシミュレーターをやっていたのさ」

 

今までオデロもトマーシュも、子供達が知らなかった事実が明かされて、二人の少年は面食らった顔をする。

 

「えっ!?」

 

「あ、あのウーイッグのお嬢ちゃんが、そんな自主トレしてたのかよ!

意外と体育会系だったのかぁ?」

 

オデロの面白い例え方に思わずヤザンの頬が緩む。

 

「んん?はっはっはっ!そうかもしれんな。

カテジナって奴は意外と現場系が肌に合っている。

根性のある女さ」

 

「つまり、隊長は…僕達も自分である程度鍛えてからなら話を聞いてくれるって事ですよね」

 

「…そうだな…そういう事だが…。

お前達は何でパイロットをやりたいんだ」

 

「それは…」

 

少年二人にとってその質問は、自分の弱さというか、コンプレックスに似た物を曝け出さなければならないクエスチョンだから少し答えるのを躊躇ったが、僅かな間の後自分からそれを説明し始める。

まずはトマーシュだ。

 

「単純に、今回の戦いでいっぱい人が死んで…シュラク隊のお姉さん達だって大怪我したって聞いたからです。

こんな時
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