獣と龍と
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ッゴーラのビットを撃ち落とす…!?ぬ、ぅぅぅ!私の動きを読むなぁ!!」
「お前の動きは素直だと言ったろう!!」
まるで会話の疎通が成っているかのように互いにコクピット内で言葉を漏らす。
「私は!私は生まれ変わったのだよ!私はすでにニュータイプのはずだ!
なのにティターンズの亡霊如きが…ニュータイプの真似事をするのは不愉快だ!
貴様は古びた地球人のはずだろう!そうでなくてはならないっ…だから、私の動きを読むのは間違っているのだ!」
ブロックビットを高速で左右上下から突っ込ませる。
ドッゴーラの腕部ビームを猛射する。
ミサイルを龍が吐き出す。
次々とピピニーデンは攻撃を繰り出してその手を休める事をしない。
ヤザンを常に後手後手に回し、防御一辺倒にしたいという思惑。
そして未だ100以上浮遊するブロックの包囲網を徐々に狭めて、V2の動きを物理的に制限していく。
「ふふっ、そうだよ!その姿だ!
貴様はそのブロックビットの包囲網の中で、檻の中のケダモノのように死んでいきたまえ、ヤザン・ゲーブル!」
ピピニーデンは笑い、しかしヤザンもまた不敵な笑みを崩してはいない。
「こんなくだらん事が貴様の狙いか、手品師ペテン師野郎め。
ネタ切れの手品師にゃこのあたりでご退場って所だな!このV2の機動性なら突破は…――ッ、なに!?」
その時V2が大きく揺れた。
サブモニターに表示されるメッセージはエラーを吐き出し、機器の警告灯に赤が灯る。
ヤザンの戦場の眼経験と勘はピピニーデンの包囲網の出口への道筋を即座に見抜き、しかもピピニーデンを殺す道筋までをも野生の勘は嗅ぎ取っていた。
本能が勝ちへの手順を示せば、後は徹底的にカラダに染み付かせたパイロットの反復操作がヤザンを勝手に動かした。
そして後はその道筋を臭いを辿る猟犬の如く駆け抜けるだけ…その筈だったが、そこでV2に無理をさせた事が祟る。
左ウィングバインダーが吹き飛んだ。
内部から噴き上がってくる圧倒的エネルギーに、ダメージを負った機構が耐えられなかったのだ。
「くっ、とうとう来たか!」
損傷を負った初陣で酷使されたV2は健闘したと言えたが、それでも、またもあと一歩で敵を仕留め損なう。
しかも今度は己が敵の攻囲を突破する道筋までが消え失せていて、ヤザンの経験と勘を持ってしても再度の突破口の発見は未だならない。
制御を失いかけたV2を素早く立て直した技量だけでも称賛ものだったが、ヤザンはそのまま左バインダーの全エネルギーをカットし、そして左側だけを各部アポジで持ち直させてバラン
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