獣と龍と
[6/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
鍔迫り合いで捌き流し、突きの一撃は脇腹を少しばかりずらしてスレスレに避け、次いで手首をがっちりとアームロックをしてしまう。
そして機体が触れ合ったのを幸いにヤザンは皮肉たっぷりに相手を挑発すれば、案の定相手ブロッホは怒りを見せた。
「子供だと!?この俺に対して!」
「フハハハっ!」
「…っ!こ、この機体、小さいくせしてこのドッゴーラを抑え込むパワーなのか!?」
「伊達に新型じゃないんだよ!」
ドッゴーラの腕を締め上げ軋ませる。
ブロッホは長い尾と空いている片腕でV2を捉えようとするが…。
「くっ、ちょこまかと!」
巧みにそれらを避けるV2。
ブロッホも下手をすれば自機のコクピットブロックを潰してしまうからビームも使えず、殴打狙いの攻撃はどうしても甘く、そのような狙い方では野獣が如き男は殺れはしないのは当たり前だった。
「図体は死角だらけだなァ!ハッ!貰ったぜ!」
勝ち誇り、ヤザンがV2にビームサーベルを逆手で構えさせ、一気に胴体に突き刺そうとした…その時。
「っ!なに!?キューブだと!」
ヤザンの視界のずっと端…もはや後方とすら思える角度から迫る物体≠ヤザンは捉えて、そして一瞬にしてその場から飛び去る。
物体≠ヘ四角い立方体のそのベスパオレンジのブロックキューブ。
そいつの、ヤザンへの空振りの体当たりは、ブロッホのドッゴーラにしこたま命中した後に、まるで意思を持っているかのように再度V2を追跡しだす。
「ホーミングするブロックというのか!あの色…もう一機の尻尾付きの仕業のようだが…」
ノーマルな人間の視野を遥かに上回るヤザンがグリグリと目玉を動かしてモニター中を確認すれば、その四角い立方体はそこらの宇宙に浮かんで、そしてやはり意思を持ってヤザンを追跡してくる。
攻撃とは相手の意表を突くことが最も重要で効果的だ。
今、ヤザンが不気味なブロック達による包囲網から逃げ回っているのは、このブロックがどういう挙動をし、そしてどういう攻撃をしてくるのか、というのを見極めたいが為。
虚を突かれるのは最も避けるべきだった。
「ちょろちょろと!」
軽く舌を打ちながらヤザンが独り毒づく。
ヤザンが虚を突かれるのを嫌ったように、自分がされて嫌なことをするのが戦場だから、ヤザンは相手の意表を突いて一瞬で間合いを詰めてビームサーベルをコックピットに突き立てる…その寸前までいった。
絶好の勝利の手を潰されたのだから多少なりともイラつきはする。
しかもベスパオレンジの大型MA本体ま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ