這い寄りし妖獣
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に、にんまりとヘレンが笑う。
「いつの間にか、結構ジュンコもホの字じゃないのさ」
「そりゃ、命預けて、助けられて…ベッドの上でもあれだけ満足させられてればね…それで惚れない女っているのかしら」
「おっ、見なよジュンコ」
ヘレンが顎で方向を示し、ジュンコがその先へ視線を誘われれば、そこにいたのは金髪の令嬢。
またまたヘレンがにんまりと笑った。
「カテジナお嬢様のご登場だよ。見ものだね」
シュラク隊の年若い新参フラニーは可愛いと言えば可愛い。
フランチェスカ・オハラは分かりやすいサバサバとした性格をしているし、容姿もその性格の通りこざっぱりとした美形で、男女問わず見る人に好感を与えやすい。
シュラク隊の先輩であるジュンコ達への敬意も、その言動からは見られるし、新型のテストも任せられ、且つシュラク隊に抜擢されただけあってパイロットとしても良い。シュラク隊好みの人材だ。
しかし、フラニーの態度にはありありと、非常に分かりやすいヤザンへの好意があるから、パイロットとしては兎も角、女としてはシュラク隊達は心にモヤつくものがあった。
これ以上ライバルが増えるのは御免被りたいが、自分達も1人の男ヤザンをシェアしてるから、「お前はダメ」とは強く言い辛いのだ。
だがこれ以上ヤザンの女が増えれば自分達への分前≠ェ減る。由々しき事態だ。
宇宙戦国時代真っ盛りの今、強いオスは希少であった。
だが、いくらヤザン・ゲーブルが強壮なオスであろうと体は一つなのだからシェアには限界がある。
そんなヤザンを見つめる金髪の令嬢。
「…」
黙ったままジトつく視線でヤザンと、そしてその腕に絡みつこうとするオレンジ髪の女を見つめていたがやがて嫌味ったらしく口を開いた。
「もう新しい雌犬を手懐けたのね?」
フン、と鼻を鳴らすカテジナは髪を掻き上げながら、背の高いヤザンを下から見下すように言えば、それがまた何やら可愛らしく、ヤザンは口の中で静かに笑いながら言い返した。
「俺もなかなかだろう?俺という奴はブリーダーの才能でもあるのかもしれんなァ」
「わっ」
言いつつヤザンはフランチェスカの肩を抱き寄せる。
それはまるで見せつけるようだ。
さっきまでは鬱陶しそうに邪険にしていたが、カテジナが絡んできたものだから面白がってついこうした。
フランチェスカは褐色の頬を少し赤く染めてヤザンのなすがままである。
カテジナへのあ・て・つ・け・か出・汁・にでもされているのかもしれないフランチェスカは少し哀れだが、ヤザンはこの肉付きの良いボーイ
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