宇宙の魔獣・カイラスギリー その5
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中に消していった。
ウッソは先頭に立って突き進みながらも取り回し辛い長物を巧みに使っている。
「物干し竿…良いみたいだな。ハイランドは良い物をくれたよ」
「設計が30年前のものだから不安だったけど、基礎が優秀なら何年経ってもいけるものね」
「そりゃあマーベット、ヤザン隊長を見ていれば分かるだろう」
オリファーの軽口にマーベットは唇の端を持ち上げる。
「ふふ、そうね。ヤザン隊長は物干し竿よりうんと古いんだった。つい忘れちゃうわね」
「どこにでも順応して逞しく生きる人だからなぁ、あの人」
優秀な物は時代を超える、という事らしい。
オリファーとマーベット、そしてカテジナは
同じ長物でも使い慣れたフェダーインライフルを撃っているが、
ウッソが旧式のスマートガンを使っているのは単純にフェダーインライフルの在庫切れ故だ。
一番の年少であるウッソが信頼性の低い未知の旧式兵器を使っているというのも、
これもまた単純にウッソの腕が一番良いからだった。
ヤザンの弟子であると自他共に認められている現状。
そしてスペシャルであると評される程の才能も相まって
ウッソ自身も物干し竿≠あてがわれたのに異論は無かった。
「ウッソ、雑魚相手に弾を使いすぎないのよ?
こいつらは無視して今はSフィールドを目指さないと!」
ヴィクトリーの横でシャッコーも黒い長物のトリガーを引きつつそう言えばウッソも頷く。
「はい!行きましょうカテジナさん!」
ウッソとカテジナ、オリファーとマーベット、それぞれの連携は抜群である。
特にオリファーとマーベットのコンビネーションは、
二人のプライベートの深い付き合いもあってか相当に息が合う。
まるで熟年夫婦のように言葉も無く阿吽の呼吸で互いをカバーし合う様は、
連携技の模範となるべき姿だった。
ウッソとカテジナのチームプレイも優秀だ。
こうしている今も、ウッソがベスパMSの眼をバルカンで潰した瞬間に
シャッコーがコクピットをビームサーベルで串刺しにする様は流れ作業のようにスムーズだ。
しかし彼ら年少組の連携はあくまでヤザンを基幹としたもので、
ヤザンを含め三人での連携こそがヤザン隊≠ノ選抜されたウッソとカテジナの真骨頂で、
自然、そういう風にヤザンとの訓練で身についていた。
しかし個人技を見れば、もはやウッソには勝てないとオリファーもマーベットも確信できて、
カテジナを見ても最低でも同等レベルにまで並ばれているように思う。
(スペシャルな才能…
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