宇宙の魔獣・カイラスギリー その5
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MS隊の総隊長がヤザンならばオリファーは副隊長である。
ネズミのようにこそこそと潜伏活動していた時からヤザンを副官として支え続けていて、
シュラク隊創設にも彼と共に尽力していたし、
ヤザンの地獄のMS訓練キャンプ≠フ一期生でもあった。
であるからオリファーの、
ヤザン個人への尊敬と忠誠心という奴はリガ・ミリティアでも群を抜くものがある。
仮に、ヤザンが「ザンスカールへ乗り換える」等と言ったら
事と次第によってはオリファーは彼に付いていくだろう。
それぐらいにはヤザンを慕う男であった。
ヤザンが強烈で個性的なカリスマで部下をグイグイと引っ張り、
副官であるオリファーが模範的で気が利くフォローで穴を埋め下から支える。
そういう名コンビでもあったが、
当初のシュラク隊のメンバーがある程度そうだったように、
今のカテジナのようなじゃじゃ馬達の指導と制御はヤザンの仕事だった。
気の強い個性的な跳ねっ返り娘達を、
ヤザンは彼女らを更に上回る個性を発揮して
彼女らを時に叩き潰し、時に泥水を啜らせ、時に鞭で打ち、そしてたまに飴をやる。
そうやって見事に調教≠オて来たわけだが、それはとてもオリファーには出来ない事だ。
オリファーが無能というのではなく単に向き不向き、という奴だ。
だから余りにも我が強すぎるカテジナの相手は、はっきりいってオリファーは持て余す。
彼はどちらかというとマーベットやトマーシュ、ウォレンのような
優等生タイプを導くのが上手い性分であった。
(…う〜む。この娘は…やっぱり相当だぞ…まいったなぁ。つくづくヤザン隊長は凄いな…。
やっぱり俺はマーベットで精一杯ですよ、隊長)
面と向かって注意した事に対する反発を示されて、
オリファーは表向き威厳いっぱいに受けて立ったが内心はそういうものだった。
「ヤザン隊長…こんなユニーク揃いの連中残していってもらっちゃ困りますからね」
コクピットの中で一人呟いたオリファーのそれは誠に切実な情緒に満ちていた。
――
―
4機のMSが戦場を切り裂くナイフのように突出していく。
彼らのスラスター光は彗星のように尾を引いて、鋭くベスパの陣形へ穿っていった。
「なんでそう邪魔をするのさ!
このままじゃ、ビッグキャノンで皆死んじゃうかもしれないんだぞ!お前達だって!」
ウッソのヴィクトリーが、手にした長物…メガビームキャノンを薙ぐように撃てば、
見事に立ち塞がるゾロアットをメガ粒子の
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