宇宙の魔獣・カイラスギリー その5
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金髪の少女が親指の爪を噛みながら紡いだ言葉にオリファーとマーベットが目を丸くした。
「ペギーの事も驚きだが、まだまだベスパのMS隊は元気いっぱいだぞ!?
それを突破するってぇ!?」
そう言うオリファーに、今度はウッソが返す。
「ヤザンさんの命令ですよ。少数精鋭で突破するみたいです。
急がないと、ヤザン隊長もペギーさんも危ないし…
それに艦隊の皆もビッグキャノンでやられちゃいますから」
ウッソが補給を終えたVタイプのチェックに入りながら言う。
シートに座り、マシーンの最終チェックを慣れた動きで熟していく。
その横ではシャッコーの関節ブロックが交換されカテジナが動作確認に余念がない。
現場は滞る事無く流れていき止まることはない。
オリファーはマーベットを少し見てからウッソへと向き直って
「勿論それは良いが…」と了承しつつ言葉を続けた。
「それならシュラク隊もいた方がいいだろう。
ペギー以外はまだ戦え―――って、ひょっとしてあのボロボロのは…」
10機まで収容できるハンガーの半分を占拠する
ボロボロのガンイージを見て二人の返事を待つまでも無く納得した。
「二人の様子からすると、どうやら一応全員無事なんだな」
「はい、ヤザンさんのお陰で。でも、皆さんとても連戦は出来そうもないですから…」
「よし、わかった…こちらの補給も丁度終わった所だ。
俺達がそちらに付いていくから先導してくれ!」
オリファーが足元の整備士達にハンドサインを出してから素早くシートへと戻っていく。
ヴィクトリーの目に緑の光が灯り背を固定ラックから切り離すと、
呼応したようにマーベット機とウッソ機もそれに続いた。
そしてカテジナもハッチを閉じて、シャッコーの赤い目を光らせる。
『ヤザンとはSフィールドで合流予定よ』
シャッコーのスピーカーがカテジナの声を響かせた。
オリファーはヘルメットを被りながら
同じようにスピーカーで少女へ返すもその声は珍しく固い。
『隊長≠セ。
公私混同にそこまでリガ・ミリティアは煩くないが隊長には敬意を示せよ、ルースさん』
『…失礼しました。オリファー副・隊・長・』
素直に言い直してはいるがカテジナの言い方はやや素直ではない。
当て付けるように副隊長を強調していたのは年相応の跳ねっ返りの顕れだろう。
オリファー・イノエという男は、
リガ・ミリティアでも最も長くヤザン・ゲーブルとつ・る・ん・で・いた人物だ。
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