宇宙の魔獣・カイラスギリー その5
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人へとストライカーが大声を張り上げた。
「直ぐには出さんぞ!シャッコーの脚のシリンダーは一本交換だ!
それにオリファー機とマーベット機も補給させてやれ!後10分かかる!」
「10分!?遅い!!ヤザンに何かあったらどうするっ!!5分で済ませて!」
カテジナががなり立てながらグッと身を乗り出し、
傍から見ると今にもコクピットから落ちそうでウッソははらはらする。
ウーイッグ時代からは想像もできない姿で、言葉遣いもお淑やかとは程遠い。
(…ひょっとして、カテジナさんってこういう面も素なのだろうか)
口の中に残るぱさついた携帯食を、
ドリンクの残りで流し込みながらウッソは埒もない事を考えていた。
「シャッコーをもっと大切に乗ってくれれば5分で済んだんすよ!ルースさん!
最低でも7分は貰いますからね!」
クッフも同僚の援護射撃をして時間の延長は已む無しと訴えていた。
やり手のメカマン二人に言われてはカテジナとしても引き下がるしかないが、
だがその顔はやはり凄い剣幕で、鳶色の瞳を釣り上げてクッフを睨んでいる。
「ひぃ」と小さな声でクッフは怯えて、彼の作業速度はまた増したようだった。
そんな事をしている時に、
更に隣の整備ハンガーデッキに身を固定させたVタイプが来る。
そして機体固定と同時にコクピットブロックをスライドさせて
キャノピーから上半身を覗かせたのはオリファーだ。
ヘルメットをパイロットシートに投げ捨てるように放って汗だくの顔をタオルで拭って言う。
「さっきの信号弾だが、ビッグキャノンが動いてるって本当か!?」
「本当ですよ!」
ウッソがすかさず返事をした。
いつの間にか機体を固定して補給を受けるマーベットも、
コクピットの縁に腰掛けながらパイロットスーツをヘソ半ばまで下げ、
涼を求めつつウッソとカテジナへ視線をやっていた。
視線を感じてそちら側をチラリと見たウッソは、
マーベットの褐色の肌が汗でテカって
薄着の白いシャツがその肌に張り付いているのを見てしまう。
一瞬、その色気にドキリとしたが、すぐにもっと大事な話へと軌道を修正する。
「ヤザン隊長の姿が見えないけれど」
マーベットの言葉にはカテジナが返した。
「まだ戦場よ…!流れたペギーを探しながらベスパと戦っているの!
ヤザンが、あなたとオリファーさんを連れて来いって…。
ビッグキャノンが動き出したから、前線を突破してそちらもどうにか対処しないと…!」
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