宇宙の魔獣・カイラスギリー その5
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ーの脚関節部に違和感を感じる。
メカマンの直感のままに装甲を開いて関節のシリンダーを見れば声なき悲鳴を心であげた。
「うわ…一回の出撃で交換だよ!これじゃ補給だけで済まないぞ!
もうちょい大切に使ってあげてくれよ、ルースさん!」
近寄って見れば他も酷いものだ。
右肩の隠し腕≠フビームガンも、そしてライフルも砲身がくたびれているし、
ビームシールド発振機も交換が必要だろう。
シャッコーはヤザンの乗機であった事もあり自分も良く整備をしたものだったから、
クッフとしてはヤザンへの尊敬の念も合わさってシャッコーに愛着があった。
その彼からしてみれば年若い少女のMSの乗り回しっぷりには思う所がある。
カテジナは携行ドリンクをストローで流し込みながらギロリとクッフを見る…というよりも睨む。
「悪かったわね…けれどこっちだって必死だったの!
でも今は口より手を動かして!補給だけじゃダメなら尚更時間が無いのよ!!」
カテジナ・ルースの獅子のような迫力。
この少女は今、戦場に残してきた上官の事で頭も心も一杯で余裕は無かった。
ヤザンからは「整備士は大切に」と教えられているしそれを実践しようと努力もしているが、
だからといって常に教えを実行出来るとは限らない。
職人気質も多く怒鳴られ殴られを多く経験してきたクッフも、
そして隣のMSハンガーデッキで整備に邁進するストライカーもギョッとなる程だ。
「は、はいっ!」
思わず背筋を伸ばしたクッフは「おっかねぇ」と呟いてせっせと手を動かしだし、
他の整備士の面々も駆け寄って大急ぎで摩耗部品の交換と相成った。
そして整備士達の間で、カテジナ乗機のMS整備担当になるのを
ハズレくじ≠ニ呼ぶようになるのだがそれはまた別の話だ。
そんなタイミングで再びゲートの方が慌ただしくなる。
回転灯と警報が周囲にゲート開放を知らせて、直後に二重扉が重々しく開いてく。
外部モニターを見ながら整備士の一人が叫んだ。
「Vタイプ、2機!帰ってくるぞ!スペース開けろ!!」
当世代の小型MSなら10機まで収納できる格納庫が一杯になってきて、
そこら中を慌ただしさ倍増となって整備スタッフが駆け回る。
今ほどの整備士の言葉にウッソとカテジナは、携帯食を口に頬張りながら互いを見た。
「Vタイプって事はオリファーさんとマーベットさんですよ!」
「これでヤザンの要望を満たせる。すぐ出るわよ、ウッソ!」
その発言が聞こえてかMSの足元から、
コクピットの二
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