ハイランドと野獣
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「ええ!?そ、そういうつもりじゃないんですよ。
僕は…カテジナさんが心配で」
「心配してくれるのは嬉しいけど、あなたは年下で、
過分なお説教はこちらのプライドが傷つくって分からない?
私だってやれるっていうのは今証明してあげる」
「す、すいません……やれるというのは分かっています。
だってヤザンさんといっぱい練習したんでしょう?
でも宇宙では地上以上にチーム戦なんだってオリファーさんも言っていたし…
そうなんですよね、ヤザンさん?」
カテジナの圧の籠もった口調にウッソはややたじろいで、ついヤザンに助け舟を求める。
だが、
「あと十秒もすれば射程圏内だ。
じゃれ合いは終わりにしろ!」
助け舟ではなく会話そのものを終わりにされてしまったが、
ヤザンにそう言われればウッソもカテジナもぴたりと黙る。
二人の若者の意識は途端に切り替わって、
鼓動が早くなり緊張感が高まるのに気分は妙に落ち着いていた。
緊張はすれど恐怖が心に無いのは、
それは一回り以上年上の ――実年齢は一回り以上どころではないが―― 頼れる上官が側にいるからなのかもしれない。
「シノーペのゾロアットが動く!先手を取る…ヤザン隊、行くぞ!」
「はい!」
「ええ!」
ヤザンが号令を掛けたのとほぼ同時に、
シノーペに係留されていた2機のゾロアットが一瞬、ふわりと宇宙に浮く。
ゾロアットが起動し、急接近してくる一群に即座にビームライフルを連射してくるものの、
その時にはもう一群は散開してバラバラになっていた。
ゾロアットのパイロットが驚愕する。
「1機の大型機じゃない!3機だ!」
「おい、どういうことだ!あれはベスパのMSじゃないのか!?」
急速に濃くなったミノフスキー粒子に叫びは掻き消されていき、
ゾロアット達は分けもわからないままに友軍機に襲撃されていた。
「通信周波数が違う!友軍ではないぞ!」
「あ、あれは…シャッコーだ!!ジブラルタルの悪魔が宇宙に!!」
シャッコーを見た途端ゾロアットの動きが恐怖に鈍る。
そのお陰もあって新兵のカテジナ相手には良い訓練相手となってしまっているが、
当然、ウッソのサポートが素晴らしいものがあったからだ。
「そこ!」
カテジナのシャッコーがビームの光をゾロアットの腕に叩き込み、
右肩がもげた所にウッソがサーベルで足を取る。
四肢をもがれたゾロアットは一瞬で戦力を喪失し
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