暁 〜小説投稿サイト〜
ヤザン・リガミリティア
ハイランドと野獣
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
カールが犯した過ちを、今度はリガ・ミリティアが犯そうというのだが、それは戦争だ。

それはそれ、これはこれ…なのであった。

だが運はリガ・ミリティアにあるらしい。

 

「レーダーに反応!下方10時です!」

 

レーダー員をやっていたネスが元気な声で告げた。

「拡大できるか?」とゴメスが言えば即座にネスから回答が来る。

 

「シノーペです。

ザンスカールの哨戒艇が…航路から予想するに恐らくハイランドから来た模様!」

 

それを聞いて艦長席で喚く男がいた。

 

「なにぃ!?先にザンスカールが来ていたということか!」

 

偽ジャハナムのタヌキ親父である。

ゴメスの席を奪い取ってその席にどっしりと座っていた。

艦橋スタッフ一同が「何故ここにいるんだ」という目でじとりと見るがタヌキ親父はどこ吹く風。

 

(どうせこの艦の方が無事に生き延びられる率が高いし、

カミオン隊の手柄が自分の指揮のお陰とも自慢できるとでも踏んだのだ)

 

そう推測するオイ・ニュングだが実際正しい。

ヤザンも喧しい彼を見るたびに舌打ちしつつ忌々しげに眺めている。

 

「…シノーペがハイランドに何をしに行ったのか確かめんとなァ?

伯爵、ヤザン隊を出すぞ!」

 

ヤザンはそう言うとオイ・ニュングの返事も待たずに艦橋を飛び出してしまった。

誰がどう見てもさっさと偽ジャハナムから離れたかったに違いない。

 

 

 

――

 



 

 

 

「各機、そういうわけだ!

シノーペは生きたまま捕獲する!」

 

ヤザンのアビゴルが見るからに元気良く宇宙の暗黒空間を掻き分けて進む。

高速のMA形態となったアビゴルの背・び・れ・には、

振り落とされまいと掴まる2機のMSがいた。

白いガンダムタイプと、イエロー・オレンジのベスパ機…ヴィクトリーとシャッコーだ。

アビゴルのMA形態をSFSサブフライトシステム代わりにし、

シノーペが逃げ切れぬ加速で急接近しようという試みである。

 

「ゾロアットはやっていいのでしょう?」

 

シャッコーのカテジナがヤル気まんまんに聞いてくるが、

 

「カテジナさん、あまり無理しちゃダメですよ?

実戦になったら訓練通りにいくってこと、あまり無いですから」

 

落ち着いた様子のヴィクトリーのパイロット、ウッソにやんわり窘められる。

カテジナの眉間に少しだけ皺が寄った。

 

「ウッソ…あなたっていつもいつも私にだけ妙に説教臭いのよ」

 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ