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ヤザン・リガミリティア
野獣好きのバグレ
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は地球連邦軍の正規軍の一隊であったその隊は、

動かない連邦に業を煮やし独自に離脱、リガ・ミリティアに合流した志ある者達だ。

当初はその行動は連邦内の主流派堕落した者達に白眼視されていたが、

ガンイージを受け取りザンスカールのタシロ艦隊と良い勝負をしてみせてからは

徐々に他の艦隊からバグレ隊に勝手に転・属・する者が増えて、

今は半個艦隊近くにまで増強されていた。

 

そのバグレ隊が、整然と並んでリーンホースを出迎えていた。

 

「大層な出迎えだな」

 

ヤザンが伯爵の横で呟けば伯爵は少し自慢気に答える。

 

「それだけ私達が当てにされているという事だ。

なにせ、カミオン隊には君もウッソ君もいる。シュラク隊もな。

リガ・ミリティアの最精鋭さ」

 

おまけにジブラルタルの戦いは、宇宙引越公社の宣伝のお陰で世界中に知られていた。

その中心として活躍したリガ・ミリティア本隊は今や時の人なのだ。

 

「…サラミス級が6、クラップが4、それにあれは……アレキサンドリアだと?」

 

陣形を組むバグレ隊の中に予想外の艦船の陰を見てヤザンが驚く。

アレキサンドリア級の特徴である、

まるでジオンのムサイのような三脚が

増設されたブロックで隙間を埋められて一本の胴体となっていたが、

間違いなくアレキサンドリアの面影がそいつにはある。

ヤザンを使いこなした数少ない上官、

ガディ・キンゼーと共にヤザンにとっては印象深い艦だ。

 

「ああ、アレキサンドリア級ガウンランドだ。

あれには…ジン・ジャハナムが乗っている」

 

「………この方面のジン・ジャハナム…あのタヌキ親父か」

 

ヤザンは皮肉に笑いつつ伯爵へ視線を寄越せば、

何事かを察したオイ・ニュングは「そうだよ」と同じ様に皮肉気に薄く笑う。

ヤザンもオイ・ニュングもそのジン・ジャハナムが影武者のタヌキと知っているのだ。

2、3年程前に作戦会議の場で会ったことがあり、

その折ヤザンは彼と一悶着起こした事があって同席した伯爵が宥めたものだ。

 

「アレキサンドリアが奴の座乗艦とは悲しいな。

このリーンホースと交換して欲しいくらいだ」

 

アレキサンドリア級は、忌々しい上官だったジャマイカン・ダニンガンといい

タヌキ親父の偽ジン・ジャハナムといい、

あまり有能とは思えない男に使われる運命なのかと思ってしまう。

オイ・ニュングも同意見だが、そんなヤザンを見て苦笑するしかない。

 

「リーンホースの方が進水日は遅い。

こちらの方が性能は上だから我慢し
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