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ヤザン・リガミリティア
宇宙に帰ってきた獣
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余り陽気にはしゃぐタイプではなく口数も多くはない。

年齢も若手スタッフよりは一回り上であり老人達よりも圧倒的に若い30代半ばの中堅。

歳も近く実直で油の乗った働き盛りのストライカーは、

腕前だけでなく人格面でもヤザンに気に入られ、時折酒を酌み交わす仲でもあった。

 

「コンテナに詰め込んで地上に送り返せって…

あのまま本当にやりそうな勢いで怖かったなぁ」

 

ネスは言葉とは裏腹にどこまでも楽しそうに思い返している。

ヤザン達もそうだろうが、ストライカー達もあの子供らには呆れて溜息が出てしまう。

 

「まったくな…軍艦にあんな子供が乗るもんじゃないんだが」

 

「…一人はあきらかに大人だけど」

 

ネスの正確なツッコミにストライカーもクッフも、その他の整備スタッフも大笑いしていた。

 

 

 

――

 



 

 

 

「ヤザン大尉、当艦はこのまま静止衛星軌道上の要塞に向けていいのか?」

 

ロベルト・ゴメス大尉が艦長席に座し、その左右にオイ・ニュングとヤザン・ゲーブルがいる。

リーンホースの艦長に就任したゴメスが横に仁王立っているヤザンへ尋ね、

直後に二、三の指令をオペレーター達へ飛ばしていた。

 

「俺は戦闘指揮は執るが普段は伯爵だ。そちらへ伺ってくれ」

 

「いや、隊長。ここは私も宇宙での実戦経験が豊富な隊長に聞きたい。

ザンスカールのビッグキャノンはもう起動出来ると思うか?」

 

伯爵へ振ったのに直ぐに球が返ってきた。

 

「敵さんの建設事情は知らんよ。

だがバグレ隊は踏ん張っていて、

バグレ隊にビッグキャノンが使われた形跡は無いんだろう?

ならまだ撃てんのだろうさ」

 

連邦から分離し独自に協力してくれていたバグレ隊は、

多少の余力があった宇宙のリガ・ミリティアから

新鋭機ガンイージを数機、或いは十数機受領していてかなりの奮闘を見せていた。

見返りとして少しの金銭と宇宙空間での戦闘データを

セント・ジョセフの秘密工場に提供して貰っていて、

リガ・ミリティアとしては良い事尽くめなのだった。

ヤザンとオイ・ニュングがチラリと聞いた事によると、

ガンイージを更に宙間戦闘に適応化させた高機動型も戦線に投入する予定らしい。

 

だからといって時間的猶予はたっぷりだというわけにもいかない。

自分達が宇宙に戦力を上げたようにザンスカールも宇宙に集まっている。

ヤザンとしては急いでバグレ隊に合流しつつもビッグキャノン攻略にはまだ出向かず、


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