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ヤザン・リガミリティア
ジブラルタルで踊る獣達
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の面々が獰猛に笑う。

 

「ようやくお許しがでたね!」

 

ヘレンが、オレンジの髪を掻き上げて言う。

 

「焦らされた分、たっぷりやらせてもらうよ」

 

ジュンコが、先導するシャッコーの背を見て蠱惑的に笑って言う。

 

「へへっ、私がヤザン隊長の後ろ頂きぃ!」

 

ケイトが嬉々としながら同僚を出し抜いてシャッコーのすぐ背後に陣取り、

 

「…は〜、ケイトって…分かり易い子犬っていうかさ」

 

「ほんと、分かり易いよね」

 

「でもケイトの気持ちも分かるかもって、最近思えて来ちゃった〜」

 

その様を見ていたフェダーインライフル装備の後方支援組3人、

ペギーとコニー、マヘリアはわざわざ触れ合い通信で姦しい冗談を言い合っている。

それ程の心的余裕がシュラク隊にはあった。

ヤザンに率いられると、彼女達の心の中の獰猛な部分がどんどん熱くなってくるのだ。

凶暴な獣に率いられると、羊達も狼へと変貌する。

今、まさにシュラク隊は狼の群れである。

 

ジブラルタル決戦の趨勢は既に決まったらしかった。

 


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