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ヤザン・リガミリティア
ジブラルタルで踊る獣達
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もこっちと同じパイロット不足になりなァ!」

 

宇宙引越公社のシャトルを撃墜するなど普通は国際協定違反ものであるが、

そのシャトルがベスパに占拠されイエロージャケットを満載しているとなれば話は変わるし、

そもそも中立宣言をした地域での軍事活動は既に南極条約違反である。

そしてそれを先に破ったのはザンスカールだ。

しかも現在マスドライバーのレール上に迫り上がってきたあの大型シャトル達は、

イエロージャケット達はもちろんのこと、

武器弾薬、資源、MSのパーツ類まで積んであるのは明白。

そんなシャトルを撃ち落とすのに、ヤザンは欠片も良心が傷まないのだ。

ヤザンは笑いながら、

後退し始めたベスパのMSを1機、また1機と確実に削りながら

マスドライバー上のシャトルへ接近していく。

しかし援軍はリガ・ミリティアだけではなかった。

 

「ヤザンさん、後方に煙です!」

 

「なに?そちらにはリガ・ミリティアの戦闘車両隊が陣取っていた筈だが」

 

ウッソのVタイプがヤザンのすぐ隣に降り立って、

指からワイヤーを射出してシャッコーへ取り付けて言うとヤザンは片目を細める。

ジブラルタルの北、サンタマルガリータには

自分達より数テンポ遅れで降下した戦闘車両が後方を守ってくれている筈だ。

そちらから煙が上がるということは彼らに何かあったということだ。

ヤザンが、視線を北へと向けてジッと見る。

 

「……あれは黒煙か…それも一つじゃない」

 

間違いなくその煙は戦場で見慣れた色だ。鉄が燃える色。

それが無数に上がりだしていて、一瞬炸裂する光までが見えた。

 

「後方にもベスパの戦力がいた!オリファー!!」

 

シャッコーが脛のハードポイントに装着されていたポッドから信号弾を打ち出し、

殿を務め続けていた3機目のヴィクトリーを召集すれば

オリファー機は直様現れてウッソとは反対側へと着地した。

シャッコーの腕がその肩へ置かれ、

 

「オリファー、後ろの煙を見たか!」

 

「はい、何やら一悶着あったようです。自分が行きます」

 

「任せる!ウッソとマーベットを連れて行け!」

 

オリファーが「ハッ!」と威勢よく返し、ふざけ半分にヴィクトリーで軽い敬礼をしてみせると

同タイプのMSを2機引き連れ颯爽と飛び去っていく。

 

「これで後ろは片がつく…。

シュラク隊、一気にシャトルを叩くぞ!上のジェムズガン達の援護に当たるなよ!」

 

シャッコーの目の発光信号が全機突撃≠ニ言っていた。

シュラク隊
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