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ヤザン・リガミリティア
爪研ぐ獣達
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ずにゴメスは言葉を返す。

 

「おいおい、若造よォ?ちったァ言葉遣いに気を付けな。

あんたはリガ・ミリティアのエースさんで、

しかも連邦から出向してる大尉らしいが俺も大尉だ。

年上の先任大尉には気を使うもんだぜ。

パイロットだからってデカイ面してもらっちゃ困るんだよ。

俺だって若い頃はAAAAフォーアベンジャー隊でブイブイいわせてたんだ。

アフリカじゃ地球にやって来た間抜けな木星野郎を

千切っては投げ千切っては投げの大活躍したもんよ!

敬意ってもんを払ってもらいてェなァ!」

 

輸送機の装甲板を拳で軽く叩くゴメスは、

そうやって年下だと思うパイロットを威嚇してやった。

ヤザンの目つきが変わる。

 

「ほォ?」

 

ヤザンは、勿論ゴメスの威嚇など歯牙にも掛けないし眼中に無い。

ヤザンの興味を引いたのは元AAAA隊という一節である。

 

「あんた、AAAA隊だったのか」

 

「おっ?目つきが変わったな若造。AAAA隊の名前を聞いてブルったか?

そうだぜ、俺ァ若い頃あの精鋭部隊にいたんだ。

どうだ恐れ入ったかよ!わっはっは!」

 

「ジェムズガンを使った実戦部隊…

俺もジェムズガンを使う時にはAAAA隊の戦闘記録を参考にさせて貰った」

 

「ってこたァ、おめぇさんが見た記録の中に俺もいたかもな!

勉強になったろヒヨッコ」

 

「そうだな。AAAA隊の動きはどいつもこいつも良かったよ。

最近の弛み切った連邦の中じゃズバ抜けていた。

…そういう事ならアンタに敬意を払わなきゃならんようだ」

 

ヤザンの顔は相変わらず不敵な笑みであったが、纏う空気が幾分柔らいでいる。

ゴメスも、ヤザンの顔付きやら言葉の強さから

さぞ喧嘩っ早い頑固な短気者と思っていたのに、

まさかこんな素直に称賛されるとは思わず、拍子抜けするどころか少し照れた。

 

「ん…わ、わかりゃいいのよ、わかりゃあな。

意外と話が分かる奴じゃねぇか…気に入ったぜ若いの」

 

「元AAAA隊のアンタがなんで田舎で輸送機のキャプテンをやってるんだ。

勿体ないどころの話じゃない…

MS隊の教官でもやって気合の入った後進を育てて欲しかったものだがなァ」

 

心底勿体ないと、そういう思いを込めた声色でヤザンは素直な感想を漏らした。

AAAA隊といえば、第2期MS時代以降の連邦では最強格と言って過言ではない。

コスモ・バビロニア建国戦争、

木星戦役、

そして宇宙戦国時代。

その全ての時代で、地球に降下してきた
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