爪研ぐ獣達
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地球が欲しくはない、ということか?
ザンスカールはどこを目指している?
女王マリアは、この戦争の落とし所をどこに求めてやがるんだ)
ザンスカールの宇宙そらの支配領域が危ういものとなってきたから、
ラゲーンの地上戦力の全てを戻して本国の防衛と安定に使うつもりなのかもしれない。
だが、それにしてもザンスカールの動きは地球圏の支配を連邦から奪おうだとか、
圧倒的なMSの性能と迅速な領土拡大で宇宙戦国時代に終止符を打とうとか、
奪った地球の領土を取引材料に使って
サイド2の独立国家としての地位を連邦に完全に保証させるだとか、
そういう未来の展望すら無いように思える。
今回の動きは全く不可解なのだ。
世界中のさらなる反感を買ってまで、
そうまでしてアーティ・ジブラルタルを欲する意味がヤザンには分からなかった。
(ジオンの方がまだ分かりやすいぜ。ジオン一つ目共は独立と支配が目的だった)
野心や領土欲、闘争心からの戦争ならばヤザンは理解できる。
だがひょっとするとザンスカールは戦争での勝利すら目的としていないのではないか。
いかに連邦が形骸化していたとはいえラゲーンを取る為には相応の血が流れているし、
その後もザンスカールはラゲーンの増強を推し進めていた。
それをあっさり手放すということは領土欲は無いということだ。
(ザンスカール猫目共の戦争目的は何だ…?
まさか、マリア主義で全人類を染め上げようとでも言うつもりか)
宗教狂いの考える事は理解し難く、
今その事をどれだけ考えようが答えは出せそうもない…。
取り敢えずはそう結論付けたヤザンは、
突然に目の前に降って湧いたジブラルタル戦へと意識を向けた。
今はそちらの方が余程大事なのだ。
「ラゲーンは背水の陣で来る…楽な戦いにはならんな」
リガ・ミリティアのパイロット達はその特性上、入念な作戦の打ち合わせが出来ない。
勿論、大まかな戦略行動はジン・ジャハナム達が念入りに計画を練っているだろうが、
秘密事だらけのゲリラ組織では重大な戦闘行動を知らされるのはいつだって突然だった。
伯爵やヤザンでさえ詳細な日時とかは知らされない事が多く、
それは最前線で部下達の命を預かるヤザンにとって大きな悩みの一つだ。
真なるジン・ジャハナムが切れ者であるのは認めるが、
言ってみれば最前線のパイロットは
行きあたりばったりにいつも付き合わされているようなもの。
意気上がるカリーンのリガ・ミリティアスタッフ達…
しかし、MS隊の者達の中に楽観な顔をしている者は
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