蜂を駆る獣
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ビームで破壊する可能性がある。
そうなればMS2機分の核爆発が起きる懸念があった。
迂闊にはビーム兵器が使えない。
「ならばッ、格闘戦で…!」
猛るゾロが、光刃を抜刀して袈裟懸けに迫る。
「そうだ…!サーベル戦を仕掛けてこい!戦闘は楽しまなくっちゃなァ?」
囲まれての射撃戦という圧倒的不利を封じるための人質だ。
格闘戦ならば例え10対1であろうとヤザンは負ける気がしなかった。
右から回り込むように1機。左から1機。
下方に滑り込んでくるのが1機。
これはビームサーベルではなくライフルを構えている。
下のゾロが空を滑るようにしながら上方のシャッコー目掛けビームを猛射し始めると、
ヤザンは即座に盾にしたゾロをそいつに思い切りよく蹴り落としプレゼントしてやる。
落下するゾロにビームは命中し装甲が穴だらけになっていくが、
やはり核爆発が怖かったらしく貫通はしない程度の威力でしかない。
敵パイロットが核の誘爆も恐れず全開の出力だったら危なかったが、
そうはしないだろうというヤザンの目論見は最初からあった。
「狙いが甘いから必要以上にビビるんだ、貴様らは!」
笑いながら、ヤザンは射線上一直線にならんだゾロ2機にビームライフルを叩き込む。
先程や眼下のゾロとは違い、今度は高出力のビームだ。
盾にされた脚無しのゾロ、結果的に仲間だけを撃ってしまったゾロ、
その両機をメガ粒子は容赦なく貫いた。
2機は見事にエンジン以外を撃ち抜かれて猛火に包まれて爆散した。
それとほぼ同時に、右からの1機の刃をビームサーベルで受け止める。
激しいスパークがモニターを焼かんとし、
シャッコーの複合複眼式マルチセンサーの保護カバーがオートで下りる様は、
シャッコーが目を細めているかのように見えた。
「もはや捕獲はせん!仲間達の仇をとらせてもらう!」
瞬く間に、次々と友軍が葬られていく恐怖に屈しそうになりながらも
怒りを沸き立たせてゾロが来る。
左から迫るゾロがビームサーベルを居合気味に振り抜いてくるが、
それはシャッコーのビームローターで遮られる。
シャッコーの左右両方で激しい閃光がほとばしった。
「いくら新型のシャッコーだろうと…このままゾロで挟み撃ちにすれば!」
ベスパのパイロットが息巻く。
息を合わせ2機のゾロが出力をさらに上げると、
左右両腕で踏ん張るシャッコーの腕が軋み悲鳴をあげだしたが、
「まだ支えられるか…この機体、気に入ったぜ」
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