蜂を囚える獣
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はシャッコーの目を布が覆い隠している事実を告げていた。
◇
カミオン隊に告げられていた合流ポイントに単機で向かっている真っ最中、
射撃音とブースター音、そして光が見えた瞬間に
ヤザンはジェムズガンを全力で走らせた。
森の中を地を這うように滑空させ木々の幹を巧みに縫うように跳んできたのだ。
そしてすぐに絶好とはいえない狙撃ポイントについて手に持つ長大な得物…
フェダーインライフルで戦闘濃度のミノフスキー粒子の中いとも簡単にゾロを討ち取った。
この時代、ジェネレーターにビームを直撃させると核爆発が起きる。
足を止める為に動き回るゾロのビームローターを狙い、
そして当然のようにヤザンは当ててしまうが普通はそんな真似は無理だろう。
(コア・ファイターに構い過ぎたな…動きが読みやすい。
墜落しての爆発なら近くにいるはずのカミオン隊にも影響はなかろう)
墜落直下にいた。などという不幸でもない限りは伯爵達は無事だろうと判断し、
ヤザンは続けて見慣れぬ新型のオレンジ色MSに狙いを定めたその時…
「なんだ…?パラグライダー?新型に覆いかぶさりやがった!」
そのMSの頭から右肩にかけてばっさりとパラグライダーの布が絡む。
パラグライダーを操っていた人間がばたばたと藻掻いていた。
遭遇戦でこの森は急遽、戦場となった。
そういう戦場では民間人が巻き込まれるアクシデントはままある。
「ガキがぶら下がっているだと!?チッ、邪魔な…!いや、使えるかもしれん!」
ジェムズガンのゴーグルアイのピントが引き絞られて捉えた画像には、
年若い少年らしき人物が必死になって新型MSの装甲にへばりついている。
ヤザンは凶暴な男だが好き好んで民間人の殺傷はしない。
元連邦軍人の責務として(一応、出向という形でリガ・ミリティアに来ているがもはや形骸だ)
一般市民は助けられるならば助ける。
もっとも…救助不可能と判断すれば諸共に葬るのも吝かではないのが彼なのだが。
「いいぞぉ…小僧、もう少し新型に絡まっていろよ…!」
すぐにヤザンはフェダーインライフルを担ぎ直して、
隠れ潜んでいた森からスラスター全開で飛び出す。
新型に旧式で接近戦を挑む千載一遇の好機と、ヤザンは見て取ったらしい。
その間にもシャッコーが腕を振り回し、少年のパラグライダーを引き裂いていく。
「うわぁぁっ!うわっ!わぁぁ〜〜〜!」
シャッコーの胸部装甲にへばりつく少年が叫ぶのも無視し
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