蜂を囚える獣
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すぐに追い詰められると思ったが、
コア・ファイターの動きはデータ上の速度以上に体感速度が速い。
そう思えた。
「なかなか手練のようだな…尚更捕獲せねばなるまい。
なぜこんな玄人が田舎の空を飛んでいたのだ…何かある!」
護衛のガリー機とライオール機を回り込ませて、自らが追い立てる。
いくらマーベットがリガ・ミリティアのエース級だとしても乗機は不調のコア・ファイター。
そして相手はゾロ2機と新型のシャッコーで、しかも乗っているクロノクルは
操縦技術においてザンスカールで充分エースと呼ばれる腕前を誇る。
女王の弟というだけの男ではない。
「逃さんぞ…ガリー、サバト!そのまま回り込め!」
執拗に追い回してくる2機のトップターミナルと1機のMSにマーベットも辟易してきていた。
「まったく…しつこい男は嫌われるわよ!」
ヤザン隊を名乗ることが許されている身としてはこんな所で終われない。
それに、マーベットはヤザンの訓練の方が余程恐ろしいと今この瞬間も思えている。
しかしそうは思えても危機的状況を脱していないのには変わらない。
「よーし…狙い通りだ…良いぞ、少尉」
白い戦闘機に応援を呼ばせぬ為にばら撒いたミノフスキー粒子が通信を阻害している。
クロノクルはコクピットで叫ぶが、それは部下には届いていないのは彼も承知だ。
捕獲命令や連携はもっぱらシャッコーの手信号だ。
護衛との連携がやり難くなってしまうがそれは仕方がない事で、
宇宙世紀を生きるものの宿命だ。
シャッコーが威嚇射撃を数度繰り返し、徐々に予定のポイントまで追い込む。
クロノクルは現場での指示も優れていた。
「上をとった!そのまま捕らえさせてもらう!」
戦闘機の進路をゾロが塞ぎ、
シャッコーがスラスターを吹かすと一気に戦闘機の上方を抑える。
「しまった!逃げ場が!?」
このままダメ元で2機のトップターミナルの間を強行突破してみるしかない。
(蜂の巣にされそうだけど…!やるしか!)
マーベットが意を決して操縦桿を握りしめたその時、突然に眼前のゾロが爆発した。
「なに!?」
「なんだと!!?」
マーベットとクロノクルが奇しくも同様に驚愕する。
ゾロの爆発はビームローター部だけであったようで一応まだ原型は保っているが、
ビームローターから少しコクピットよりの部位が吹き飛び激しい炎を吐いて墜落していく。
「ライオール!?」
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