第一話 集うライダー達その九
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姿を消してしまった。後に残ったのは。
声だけだった。女の声が攻撃を空振りさせ空しく着地した三人に届いた。
「流石ね。それを受けたら私も危うかったわ」
「くっ、逃げたか」
「ええ、そうさせてもらったわ」
女の声が何とか体勢を立て直しながら歯噛みするカイザに応えてきた。
「仮面ライダー、噂通りね」
「出て来い!」
デルタが顔をあげて女に叫ぶ。
「俺だってやられっぱなしじゃいられるか!」
「だから。今倒される訳にはいかないのよ」
女は姿を出さない。しかしだ。
それでも声だけがしてだ。ライダー達に対して言うのだった。
「どうしても私を倒したければ」
「そっちの世界に来い」
「そういう解釈でいいのかな」
「その通りよ。待っているわ」
楽しむ声でだ。女は告げてだ。
やがて気配も全て消えた。後に残っていたのは。
ライダー達だけだった。既にだ。
魔獣達も倒されるか消えていた。それを見てだ。
ファイズが最初に変身を解いた。そうして乾巧本来の姿になりだ。
そのうえでだ。同じく変身から戻っていた草加雅人、三原修二にだ。こう声をかけたのだった。
「あいつの世界に行くか?」
「そうだな。そうするか」
「向こうから言ってるんだしな」
草加と三原もだ。乾のその言葉に応える。
「今は行き方がわからないにしても」
「そうしてあいつを倒さないとな」
こうだ。二人が話しているとだ。
彼等の目の前にだ。白い小さな生き物が出て来た。
猫と兎を合わせた様な姿をしている。目が赤く耳は尻尾の様になっている。その謎の生きものが出て来てだ。彼等に言ってきたのだった。
「君達はあっちの世界よりこっちの世界に来て欲しいんだけれどね」
「何だ御前は」
「僕はキュウべえっていうんだ」
こうだ。この生きものは名乗ってきた。
「あの魔獣達がいる世界の者なんだよ」
「魔獣達の?」
既にライダーから戻っている紅がその言葉に問い返してきた。
「あの連中のことを知ってるんだ」
「うん、知ってるよ」
この生きものキュウべえは己の身体を猫の様に舐めながら紅の問いに答える。
「けれどあの女のことはあまり知らないよ」
「それでも魔獣達のことは知ってるんだよね」
「僕達の世界のことだからね」
だからだとだ。キュウべえはまた答えた。
「ずっと戦ってきてるしね」
「色々と聞きたいことがあるんだけれどな」
城戸もキュウべえに尋ねる。
「いいか?話を聞かせてもらってな」
「うん、その為にここに来たんだしね」
キュウべえは城戸の問いにまた答える。
「何でも聞いてよ。魔獣のことなら」
「それではだ」
ここまで話を聞いてだ。秋山も言った。
そのうえでだ。ライダー達は。
それぞれの仲間達に連絡を
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