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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
三笠の偉い人達に尋問される話
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握った。
「…怖いのかい?」
「…ちょっとだけ。」
「大丈夫だ。おれがそばにいる。」
「…うん。」
扉が完全に開き、アビーが最後の忠告をする。
「ここを入れば、もう元の世界には帰れない。それでもいいのね?」
その問いに、僕とお栄ちゃんは力強く頷いた。
が、
「……ぇ」
「?」
声が聞こえた。
「認めねぇ…認めねぇ…!!」
「!!」
振り向くとそこには黒い靄が。
声はそこから発せられていて、その声は…
「お前らが幸せになって、俺様が不幸になる?ふざけんな!!認めねぇぞおおおおおおおお!!!!!!!」
「こいつ…まだ…!!」
ヤツだ。
葛城恋だった。
肉体はとうに滅び、奴は死んだ。
だが彼は思念だけでこの空間に留まっていたんだ。
僕を恨む気持ち、その一心で。
「うあああああああああ!!!!!!」
「こいつ…!!」
奴を形作っていた黒い靄が襲いかかる。
しかしそれは僕にではなく
「お栄ちゃん!!」
お栄ちゃんに。
そのまま靄に包まれ、お栄ちゃんは強引に扉の中へと奴と共に落ちて行った。
「お栄ちゃん!!」
手を伸ばすも、届かなかった。
あっちも手を伸ばしていたけど、それを嘲笑うかのように奴は勝ち誇った笑みを浮かべて扉の中へと消えていった。
「いけない!これはいけないことよ…!」
取り乱すアビー。
当たり前だ。予想外のアクシデントが起きたんだから。
「舞さん!!」
「!」
そうするとアビーは僕の後ろへ回り、背中を押す。
「急いで!このままだとアレはあっちの世界で何をするか分からないわ!」
「!!」
元いた世界であれだけの事をしたんだ。
次は何をしでかすか、分からない。
だから、
「お栄さんを追いかけて!それであいつをやっつけて!!」
「…わかった。」
1人になった僕は、意を決して扉に足を踏み入れる。
お栄ちゃんを助けるために。
あいつを…今度は完全に倒すために。
「あっちの世界にはフィルターがかかってて、私は入ることが出来ないの…でも、必ず後で行くから…!だからまずはお栄さんに会って!!」
「うん。行ってくる…!」
アビーの不安そうな視線を背中に受けながら、僕は何も無い空間を落ちていく。
そうして僕は、崩壊世界へやってきたんだ。
●
「こんな感じで、こちら側にやって来たんです。」
そうして全ての経緯を話し終える。
ここに来てから今に至るまでの話は、そこまで重要じゃないしここでは割愛しておく。
別の世界から来たこと。
兄と自分の生い立ち。
前居た世界で起きたこと。
そして、
「あんなものをこの世界
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