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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
三笠の偉い人達に尋問される話
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でも…




「這い寄る混沌が作り出した『歪んだ聖杯』。それを世界の危機だと反応してサーヴァントが召喚されるようになった。それが僕の世界でサーヴァントが存在していた理由です。」
「……。」

崩壊世界以外でもサーヴァントが存在することを知り、唖然とする偉い人達。

それと、もうひとつ説明しなきゃならない。
僕はスっと右手を上げ、手のひらを見せる。

「僕の右手には、かつて『黄衣の王』がいました。」
「またその…旧い神様?」
「そんな感じです。這い寄る混沌を追い掛けて来て、相性のいい僕の身体に入り込んで来ました。」

黄衣の王。邪悪の皇太子。風の旧支配者…
呼び名は沢山あるけど、ここは黄衣の王で統一させてもらおう。

「いました。というと今はいないのか?」
「はい。そもそも僕と黄衣の王を切り離すためにとった手段が、僕がここにいる理由なんです。」

かつてはいた
でも今はいない。
この右手は正真正銘僕のものだ。
けど、元は1つになっていたから接続(リンク)は途絶えていない。
身体から離れただけで、縁は切れていない。

「アビゲイルが取った手段。それが僕という存在を別の世界線…全く違う次元に飛ばすというものでした。」

這い寄る混沌を退けた後、
アビゲイルに三つの選択を迫られた。

1つ目が黄衣の王の右手を切断し、これまであったことを忘れて普通の人間として生きるか。
2つ目は腕をそのままにして、新たな黄衣の王≠ニして永遠に生きるか。

そして三つ目が

悩んだ末にアビーが提案したもの。
こことは全く異なる、サーヴァントが当たり前に存在する世界に逃げることだった。

言ってしまえば、黄衣の王の手の届かない所まで逃げるというもの。



そうして僕は、3つ目の選択肢を選んだんだ。
お栄ちゃんと過ごした日々を忘れるのなんて嫌だし、
永遠に戦い続けて、段々と皆のことを忘れていくのも嫌だったから。

だったら、みんなのことを覚えていて、そしてお栄ちゃんと一緒に暮らせる方がいい。

楽な世界ではないと忠告はされた。
でも、お栄ちゃんと一緒ならどんな困難でも乗り越えられる。
這い寄る混沌だった倒したんだ。僕達ならなんでもやれる。

そう思っていたけど、現実っていうのはそう上手くは行かない。

「邪魔が入りました。」

ここで、僕の幸せを快く思わない奴から邪魔が入る。






崩壊世界に来る直前。
何も無い空間。
そこには荘厳な扉だけがあり、目の前には僕とお栄ちゃん、そしてアビーが見守っていた。

「この扉の先が、別の世界…。」

ギイィ…と扉が開く。
冷たい風が流れ込み、僕は握っているお栄ちゃんの手を強く
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