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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
三笠の偉い人達に尋問される話
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真壁さんが続きを話すように言う。
院長先生も兄の生い立ちに気になっているようだった。

「それから、受験には見事に落ちました。一応別の大学には受かったそうですが、俺はこんなところにいていい人間じゃないって周囲を見下して孤立してたそうです。」
「いえ、そうじゃなくて…。」
「?」

と、兄のそれからを話すも首を横に振られる。

「あなたよ。あなた。」

聞きたいのは僕の話だったらしい。
とは言っても、話してもなんの面白みもないものだ。

「家を出て行ったことは、祖父母の耳に届いたみたいで、持ってるアパートに住まわせてくれました。」
「そう、なのね…。」
「親戚一同みーんな冷たかったけど、父方の祖父母は優しくて、なんにもできない僕をよく気にかけてくれたんです。」


そう聞くと、どこかホッとした様子の真壁支配人。
隣の孔明からは、「話を逸らしてすまないな」と謝られてしまった。

「じゃあ、その頃兄貴は?」
「半ば親に見捨てられて、今までの勉強漬けの監視体制から自由の身になったような状態だったんでしょうね。弾けました=B」
「弾けた…?」

院長先生から兄のその後を聞かれる。
言うなればそれ以降の兄は、弾けた。

「弾けた…というと?」
「僕も兄も、幼少期の頃からずぅっと勉強勉強でしたから。アニメや漫画は見るとバカになるからダメ。ゲームは以ての外。勉強のことだけ考えなさい。そうすれば、結果は自ずとついてくるし私たちみたいにいい家庭を持てるようになる。そう言ってましたね。」


抑圧され続けた欲望は、消えることは無い。
溜まりに溜まり、歪む。

僕はそれから高校で友達ができ、今までしてこなかったゲームをしたり、オススメされたアニメを夜通し見たり、普通の他愛ない会話をしたりした。

えっちなこと…まぁ性欲に関しては…ここでは言わない方がいいだろう。


対する兄は…


「キャバクラとか、風俗とか、そういうところに入り浸ったって聞きました。」

孤立した彼は、友人すらいない。
だから話し相手を求めた。
たまる欲情をぶつけてもいい相手を求めた。

おそらくあいつの事だ。
自慢話とかそんなものをしていたんだろう。
俺は医者になる男だ、とか。成績優秀だったんだ。とか。
母親は議員で頼めばなんでもしてくれる、とか。

中身のない空っぽで外見だけ飾り立てた話を、何度も何度もしていたんだろう。

ああそうだ。
AVを沢山見たとも聞いた。
こんなものがあるということは、女性はみんなセックスが大好きなんだっていう変な価値観を持っていた。


「ある時キャバクラで、お触りをしようとしてつまみ出されたそうです。」

真面目な話の中、何人かが思わず吹き出
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